梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

コロナの《不思議》・2

 私は2020年3月26日から、厚生労働省のホームページに記されている新型コロナウィルス感染症の「国内の発生状況」の中から、①PCR検査実施人数、②陽性者数、③入院・治療を要する者の数、④重症者数、⑤退院者数、⑥死亡者数の《推移》をエクセルに入力して見てきた。ほぼ1年10か月後の現在、①31743913人、②2121242人、③293577人、④430人、⑤1796900人、⑥18490人という数字が示されている。要するに、これまで3174万人余りがPCR検査を受け、212万人余りが陽性であったが、現在の発症者は30万人弱、重症者は430人、死亡者は18490人であった。一方、退院者の累計は180万人弱であり、その陽性者に対する割合は80%を越えている。つまり、従来から言われているように、「新型コロナウィルス感染症」の8割以上は軽快・完治することがわかる。(その数値はこの1年10か月の間、ほぼ一定であった。)感染し、発症しても「治る」病気なのだ。したがって、重要なことは「どうすれば罹らないか」ではなく、「どうすれば治るか」を明らかにすることであろう。そのための事例は事欠かないはずだ。180万人余りが退院しているのだから、それらの経過を追跡・追求すればおのずと答はでてくるだろう。だがしかし、不思議なことに、そうした情報はきわめて乏しい。この病気が流行しはじめて2年近くが経とうとしているのに、未だに「感染予防」が叫ばれているのは、いかにも能がない。いったい、専門家は何をしてきたのだろうか。「どうすれば治るか」を明らかにすることこそが専門家の責務であるはずなのに・・・。
 今は「第六波」の感染拡大が取りざたされているが、いたずらに不安を煽り立てるだけでは、何の役にも立たない。 
(2022.1.24)