梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

武田邦彦氏の《説明責任》

 科学者の武田邦彦氏は、2020年6月、高須克弥氏、竹田恒泰氏、百田尚樹氏、有本香氏らとともに、愛知県知事のリコール運動に参画した。その結果について、2021年2月1日、愛知県選挙管理委員会が衝撃的な発表をしたそうである。(「東京新聞」2月4日付け朝刊18面「こちら特報部」)記事によると〈提出された約43万5千筆の署名のうち、83%の約36万2千筆を無効と判断。地方自治法違反容疑での刑事告発を検討中という。〉〈県選管の発表通りなら、有効署名は約7万3千筆しかないということになる。解職の賛否を問う住民投票実施に必要な法定数約86万6千筆には程遠く、愛知県の選挙人名簿登録者数の6百万人余りと比べてもごくわずかな数にとどまる。前代未聞の水増しだ。〉とまで記されている。代表の高須氏は「気付かなかった。活動を妨害するため、わざと問題になる署名を書いた人がいるかも」と陰謀論をちらつかせたそうだが、まことに《脇が甘い》、無様な有様で、評論家の古谷経衡氏からは「ネット右翼が現実の世界で行った運動。応援団の顔ぶれを見るとよく分かる。百田尚樹氏や有本香氏、竹田恒泰氏、武田邦彦氏ら、ネトウヨ界の第一人者が集まった。この面々がネット上で書き込んだ内容が拡散された」と《解説》される始末だ。
 ここは一番、リコール運動をどのように計画し、展開したのか、陰謀に気付かなかったのは何故か(運動のどこに問題があったのか)、不正な署名を行ったのは誰なのか、について、しっかりと検証し《説明責任》を果たしてもらいたい。特に、私は武田邦彦氏のファンなので、ぜひ次回の「虎ノ門ニュース」で採りあげられることを期待している。
 《お天道様が見て》いますよ。
(2021.2.6)