梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型肺炎(コロナウィルス)の《不安》・2・市中感染

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員約3700人のうち、(今のところ)感染者は600人超だから感染率は16%強である。ほぼ半月余り(17日)前の段階では、31人中10人の陽性反応だったから感染率は33%強であった。何の手も打たずに放置すれば1000人以上に感染するおそれがあった。それが600人強に収まったのだから「まずまず」の対応であった、と(無能な)為政者は考えているかも知れない。
 新型コロナウィルスによる致死率は2%と言われている。600人の感染者があれば20人ほどの死者がでてもおかしくないが、今のところ2人である。こちら(治療)の対応も完璧ではないにしろ「やむを得ない」、むしろ「上出来だ」と、考えているかも知れない。 だがしかし、ウィルスの上陸阻止(船内封じ込め)作戦は破綻し、本土国内のあちこちで感染者が続出している。感染率は16%~33%、もしこのまま放置すれば1000万人~3000万人に拡大するおそれがあり、死者は20万人~60万人に達するかも知れない、と国民の誰もが考えている。さればこそ、われもわれもと(使い捨ての)マスクを買い求め、今では容易に入手できない。そしてまた、「こんな調子では、今年のオリンピック・パラリンピックの開催は無理だな。それまでに終息するとはとても思えない。もし参加者、観戦者の中から《感染者》が出たりすればどうなるか」と、国民の誰もが案じている。そのことを、(無能な)為政者も考えないわけではない。でも極力触れないようにして、ひたすら終息することを祈っている。「平和の祭典」は表向き(建前)、これまでの投資を何倍にも拡大して「稼ぎまくる」ことが本来の目的なのだから。
 2020東京オリンピックまであと152日、(無能な)為政者、関係者たちによって《強行》されることは間違いない。その結果どのような事態に陥るか、その責任をとる者は一人もいない。国民もまた、自分の身を守るだけで精一杯、他人のことを考える余裕など持ち合わせていないからである。
(2020.2.23)