梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

戦後流行歌手の「実力」・《8》

梨野礫

 その結果・8・《採点一覧》

127 五木ひろし・「旅姿三人男」       3×80=240点

128 北島三郎・「国境の町」        3×80=240点

129 笹みどり・「十三夜」         5×100=500点

130 五木ひろし・「妻恋道中」       3×80=240点   

131 木村友衛・「お吉物語」            3×70=210点

132 北島三郎・「流転」           3×100=300点

133 五月みどり・「ゲイシャ・ワルツ」     3×80=240点   

134 五木ひろし・「逢いたかったぜ」    4×90=360点

135 北島三郎・「東京ラプソディ」        3×80=240点

136 鳥羽一郎・「柿の木坂の家」      3×80=240点

137 五木ひろし・「雨の酒場で」        3×100=300点

138 里見浩太朗・「ハワイの夜」      3×80=240点

139 北島三郎・「お月さん今晩わ」      3×100=300点

140  五木ひろし・「港シャンソン」         3×100=300点

141 鳥羽一郎・「別れの波止場」      3×100=300点

142 瀬川瑛子・「港が見える丘」         3×40=120点

143 五木ひろし・「霧子のタンゴ」         2×80=160点

144 北島三郎・「裏町人生」             3×100=300点


《寸評》

 五木ひろしには「浜昼顔」「細雪」「長良川演歌」などの名曲があるが、彼は男女の色模様を描くのに長けている。「雨の酒場」も同様、原曲を凌ぐ出来映えであった。「逢いたかったぜ」「港シャンソン」も見事だったが、「旅姿三人男」「妻恋道中」など、いなせな侠気の描出には無理がある。「霧子のタンゴ」は、原曲に興趣が湧かない。

 北島三郎の「国境の町」「東京ラプソディ」は、彼独特の声音、節回しが曲想の描出を妨げている。しかし、「お月さん今晩は」「流転」「裏町人生」は原曲と肩を並べる出来映えであった。

 笹みどりの「十三夜」は、声音、節回しとも申し分なく、完璧な出来映えであった。小笠原美都子、浅草〆香、榎本美佐江、田川寿美らの追随を許さない。

 木村友衛の「お吉物語」は、浪曲調の節回しが目立ちすぎ、天津羽衣には及ばなかった。 五月みどりの「ゲイシャ・ワルツ」は、まだ「半玉」といったところで、神楽坂はん子の色香にはほど遠い。

 鳥羽一郎の「別れの波止場」は、原曲の春日八郎よりも力強く、船乗りの男意気を描出していた。「柿の木坂の家」は、青木光一の望郷のイメージに一歩及ばない。

 里見浩太朗の「ハワイの夜」は、鶴田浩二の原曲をなぞっているだけで、どうということはなかった。

 瀬川瑛子の「港が見える丘」は、声音が硬すぎて、平野愛子の甘く、とろけるような歌声には遠く及ばなかった。

(2025.10.10)