梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

 『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・1

【序】
 『「自閉」を開く 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)を精読する。この本の目次を見ると「第1部 理論 第1章 ウィング理論を超えて 第2・3章 田口理論をめぐって 第4章 言語臨床から見た田口理論 第5章 母子関係と感覚統合」「第2部 方法 第6章 感覚診断の方法 第7章 統合訓練の方法」「第3部 実践 第8章~13章 A~F君の場合」と記されている。「理論」「方法」「実践」の三部構成であり執筆者は、理論編・阿部秀雄氏、鈴木佐江子氏、鈴木弘二氏、方法編・鈴木佐江子氏、石田遊子氏、実践編・石田遊子氏、荻野俊子氏、久賀晴代氏、小柴真喜子氏、後藤徹男氏、秦野知子氏である。
 今から36年も前に刊行された本だが、私にとっては「目新しい」感じがする。当時、私は「精神薄弱養護学校」(現在の知的障害特別支援学校)に勤務しており、「自閉症」と診断された多くの生徒たちと接していた。研修会では、本書の執筆者・阿部秀雄氏を招聘して、直接「お話を伺った」記憶があるが、詳細は失念した。また、それ以前(1970年代)には「幼児言語治療教室」の仕事にも関わる中で、いわゆる「田口理論」を実践していた。したがって本書の内容は、ひときわ「身近な」ものであり、半世紀に近い「思い出」を辿りながら、精読したいと思う。(2016.3.11)