梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

小学校クラス会

 今日は、新宿のホテルにある中華料理店で小学校のクラス会が開かれた。一同が還暦を過ぎてからは2年に1回、古稀を過ぎてからは1年に1回の割で開かれ、今年は卒業60年目に当たる。このクラスは1年から6年まで編制替えがなかったので、級友の絆はことのほか強いようだ。まさに「化石」のようなクラス会といえよう。
 私自身は「体調不安定」(通院)のため欠席したが、夕方になって集合写真のメールが送られてきた。見ると、出席者は13人(男8人・女5人)、去年と比べてずいぶん減った。写真は3枚あったが「全員が同時には笑っていないのですべて添付いたします。」というコメントが添えられていた。なるほど、女性陣は微笑んでいるが、男性陣はほとんど憮然としている。それにしても「みんな、ずいぶん年をとったなあ」という実感だ。高校、大学まで一緒の過ごした親友も鬼籍に入ってしまった。たしか2年前までは顔を見せていたのに・・・。「今度は自分の番か」と覚悟を決めざるをえない。
 今日の通院は月1回の主治医による「経過観察」であった。「体調はどうですか」と問われたので、1週間前に血圧が170台にまで上がり救急センターで受診したことを告げた。主治医は明らかに不快の表情になり、「寒くなると血圧はあがります。朝まで様子を見て、外来に来て下さい」。こちらの「不快感」よりも自分の不快感(「その程度でジタバタしなさんな。私の処置・処方を信用できないのか」という)を優先する臨床家の姿勢が、いかにも「今風」でおもしろかった。それならばそれでよし、「自分の体調は自分で調整する」という気持ち(ファイティング・スピリット)が湧いてきた。もしかして、それが主治医の魂胆だとしたら、彼こそ稀代の名医である。感謝。
(2018.10.2)