梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

【2018夏】の《終わり》

 ようやく猛暑が一息ついた。暑さも峠を越えたらしい。それにともなって、私の体調も少しずつ回復しはじめたようである。第一に「吐き気」をほとんど感じなくなった。第二に、「倦怠感」も減り、「身体を動かそう」と思う意欲が湧いてきた。第三に、食欲が戻り、体重が減らなくなった(57kg台をキープしている)。第四に、起きていられる時間が延びてきた。第五に、外出をしようと思う気持ちが湧いてきた。この分だと、9月には「仕事」に復帰できるかもしれない。
 それにしても、今年の夏はまさに「炎熱地獄」であった。仏道では「不殺生,不偸盗,不邪淫,不妄語,不飲酒の五戒を破ったもののおちる地獄」とされている。私には、すべての破戒が思い当たる。至極当然の罰として甘んじなければならない。
 そして、またまた性懲りもなく、その舌の根もかわかぬうちに《不妄語(嘘をつかない)》に加えて《不綺語(無益なことを言わない》の戒までも破ろうとしているのだ。
 《病床六(駄)句》などと称して、以下の戯言を連ねる始末である。
 ■ステントで蘇る朝梅雨明ける
 ■ステントに命預けて夏越える
 ■水銀の上下で測る余命かな
 ■余命知り鬼籍の人の声を聴く
 ■余命知り花鳥風月冴えわたる
 ■老い先の短きを知る初秋かな
 「恥を知れ!もう一度、地獄に堕ちよ」という声が聞こえる。今日は秋の始りだが、夏はまだ終わっていない。
(2018.8.19)