梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「急性心筋梗塞」病状記・3・《体重減》

 「急性心筋梗塞」の手術から1カ月半が過ぎようとしているが、その経過は順調とはいえない。循環器内科の所見(心電図検査、胸部レントゲン検査、血液検査、血圧測定、脈拍数、体温)では「経過はほぼ良好」とのことだったが、今日受けた「心臓リハビリ」での「体成分分析装置装置Inbody S10」の結果は「要注意」ということである。まず、1カ月前(7月11日)と比べて、①体重が3kg減っている(57kg)、②体水分分析では、細胞内水分量、細胞外水分量、体水分量のすべてが標準値を下回っている。③細胞外水分率(ECU/TBW)は、0.389から0.391(むくみの1歩手前)に増えている。部位別水分量も右腕、左腕、体幹、右脚、左脚ともに減少し、細胞外水分率は増加(むくみの1歩手前)している。④筋肉量は42.5kgから39.6kgに減少し標準値を下回った。⑤体脂肪量は15.1kgで前回と変わらず標準値を上回っている。
 要するに、「心臓リハビリ」の目的は、「筋肉量を増やし体脂肪量を減らすこと」だが、結果は「はかばかしくない」ということであろう。
 では、その原因は何か。素人考えでは「運動不足」である。加えて、塩分制限食に不慣れな「食欲不振」もあるだろう。摂取量は、発症・入院前の半分に減っていることはたしかである。看護師は以上の結果をみて、まず体重が3kg減ったことを「問題視」した。なるほど、私は肥満指標に注目してBMIを22.9kgから21.7kgに減らしたが、それは逆に、体脂肪率を25.1%から26.5%(いずれも標準値の上限20%を超えている)に増加させる結果になっているのである。看護師いわく「今は、塩分制限よりも、食べたいものを存分に食べて、食欲を回復してください。これ以上、体重を減らさないように・・・。アルコール、タバコは控えてください。吐き気が治まらないようなら、胃カメラも早めに・・・」。私は入院中に栄養指導の担当者から「退院後は1日6g以下の塩分制限をするように」《指導》され、また心臓リハビリの担当者からは56kgまで体重を落とすように《助言》され、忠実に従ったつもりでも、すべてが裏目に出たということか。それならばそれでよし、今日からは思い切り「食べたいものを食べよう」と思ったが、適当なものが見当たらない。とりあえず、塩鮭に、漬け物、納豆、卵焼き、それとノンアルコール・ビールか・・・。実に侘びしい「病状」ではある。
(2018.8.9)