梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

安倍政権、まもなく《崩壊》

 東京新聞・2月16日付け朝刊(1面)トップに「『富の集中』日本も資産の2割 2%の富裕層に」というタイトルの記事が載っている。その冒頭では「2015年に1億円以上の金融資産を持っていた富裕層の世帯数は『アベノミクス』が始まる11年に比べ、40万世帯(50.2%)増えたことが野村総合研究所の調査で分かった。」と述べられている。また「金融資産保有額の階層別世帯数と資産額」「年収別の給与所得者数の推移」という二つの表も添えられている。それによると、資産額1億円以上の世帯数は121.7万世帯(全体の約2%)、彼らが保有する資産総額は272兆円(全体の約20%)ということが分かる。一方、資産額3000万円未満の世帯数は4173.0万世帯(約79%)、資産総額は603兆円(約43%)ということである。また、年収2000万円を超える人数は22万人で5年前に比べ21.1%増加している。同様に100万円以下の人数は412万人で14%増加している。
 要するにこの調査は、「アベノミクス」の結果、2%の富裕層が20%の資産を「独占」、富裕層はますます年収を増やしているが、年収100万円以下の人数も増え続けているということを明らかにしている。 
 安倍首相は、デフレからの脱却、有効求人倍率、就職率の上昇、失業率の下降等々「自画自賛」しているが、国民の生活には「何のかかわりもない」ことが証明されたのである「富裕層がより豊かになることで、国民全体も豊かになる」というのは詭弁である。
 さらにまた、東京新聞2月18日付け朝刊(3面)には、「私立小へ国有地売却 首相『関係あれば辞任』」という見出しのベタ記事が載っている。安倍首相の妻が「名誉校長」を務める私立小学校に、当初の評価額9億5600万円だった国有地を1億3400万円で売却した件について衆院予算委員会で追及された、という内容である。安倍首相は「私や妻、事務所を含めて一切関わっていない。関係していたなら、首相も国会議員も辞める」と述べた由、開いた口がふさがらない。国民の財産である国有地を8億円以上も値引きして売却した「事実」を知らないとでも言うのだろうか。「私や妻、事務所が関わっていなければ」許されることだと考えているのだろうか。 
 このベタ記事が、各新聞の1面トップに掲げられたとき、安倍政権は間違いなく崩壊する。その時期も遠くはない、と私は確信している。(2017.2.18)