梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「旧約聖書」通読・《出エジプト記》・第1章

■第1章
・サテライトオフィス、ヤコブと共に、おのおのその家族を伴って、エジプトへ行ったイスラエルの子らの名は次のとおりである。ルペン、シメオン、レピ、ユダ、イッテカル、ゼブルン、ベニヤミン、ダン、ナフタリ、ガド、アセルであった。ヤコブの腰から出たものは、合わせて70人。ヨセフはすでにエジプトにいた。そして、ヨセフは死に、兄弟たちも、その時代の人々もみな死んだ。けれどもイスラエルの子孫は多くの子を生み、ますますふえ、はなはだ強くなって、国に満ちるようになった。
・ここにヨセフのことを知らない新しい王が、エジプトに起こった。彼はその民に言った。「見よ、イスラエルびとなるこの民は、われわれにとって、あまりにも多く、また強すぎる。さあ、われわれは、抜かりなく彼らを取り扱おう。彼らが多くなり、戦いが起こるとき、敵に味方して、われわれと戦い、ついにこの国から逃げ去ることのないようにしよう」。そこでエジプトびとは彼らの上に監督をおき、思い労役をもって彼らを苦しめた。彼らはパロのために倉庫の町ビトムとラメセスを建てた。しかしイスラエルの人々が苦しめられるにしたがって、いよいよふえひろがるので、彼らはイスラエルの人々のゆえに恐れをなした。エジプトびとはイスラエルの人々をきびしく使い、つらい務めをもってその生活を苦しめた。しっくいこね、れんが作り、田畑のあらゆる務めに当たらせたが、そのすべての労役はきびしかった。
・またエジプトの王は、ヘブルの女のために取り上げをする助産婦でひとりは名をシフラといい、他のひとりは名をプアという者にさとして、言った。「ヘブルの女のために助産をするとき、産み台の上を見て、もし男ならばそれを殺し、女の子ならば生かしておきなさい」。しかし助産婦たちは神をおそれ、エジプトの王が命じたようにはせず、男の子を生かしておいた。エジプトの王は助産婦たちを召して言った。「あなたがたはなぜ男の子を生かしておいたのか」。助産婦たちはパロに言った。「ヘブルの女はエジプトの女と違い、彼女たちは健やかで助産婦が行く前に産んでしまいます」。それで神は助産婦たちに恵みをほどこされた。そして民はふえ、非常に強くなった。助産婦たちは神をおそれたので、神は彼女たちの家を栄えさせられた。そこでパロはそのすべての民に命じて言った。「ヘブルびとに男の子が生まれたならば、みなナイル川に投げこめ。しかし女の子はみな生かしておけ」。
(2022.12.24)