梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「心電図検査」

 高齢者の場合、心筋梗塞の主症状が「吐き気」であることがあるということを知ったので、大学病院の循環器内科を受診した。「血液検査」「心電図検査」「胸部レントゲン検査」を行ったが、いずれも「心不全」の兆候はなし、という結果であった。またしても、「吐き気」の原因は不明のままに終わった。検査結果に問題がなくても、症状は続いている。特に、食前に4種類の薬(アコファイド、プリンペラン、六君子湯、半夏厚朴湯)を飲むと、腹部膨張感が増し、「全く食べられない」という状態になる。薬剤師に相談したら、「漢方薬は食間でもよい」という回答だったので、とりあえず1種類(アコファイド)だけにして様子をみることにする。
 「生きる」ことは「動くこと」と「食べる」ことだから、「食べられない」と言うことは、そのまま衰弱して「動けなくなり」、「死に至る」ということを意味する。キルケゴールは「死に至る病」とは「絶望」のことだと言ったそうだが、だとすれば、「絶望しないこと」が、私には求められる。まだ動ける。少しなら食べられる。そのことに希望をつないでがんばるしかない。
(2022.4.30)