大衆演劇・劇場界隈・浅草観音温泉
午後3時、炎天下の浅草界隈に辿り着く。木馬館開場までまだ1時間ある。私は、迷うことなく「浅草観音温泉」に飛び込んだ。入浴料700円。えっ?これって、ほんとに温泉なの?看板に天然温泉と書いてあるのだから、間違いない。それにしても、愛想も何もない風情で、脱衣場には、やたらと「手書き」の注意書きが多い。ちなみに、それらを書き出してみると、以下の通りであった。 ①注意して下さい。浴場内でもどこでも鍵は手から放さずに気を付けて下さい。ロッカー泥棒に協力した方に協力金1万円を支払い致します。
②ロッカー荒師に注意して下さい。2~3名でコンビを組んで、バール、ドライバー等でロッカーの戸をこわして開ける者に気をつけましょう。お気付きの方はすぐにフロントまで、2~3分で警察官がまいります。貴重品ロッカーは、玄関受け付けにあります。フロントにてビデオ撮りあり、万一の時は参考にします。
③注意して下さい。一瞬のうちにロッカー鍵をすり替えて現金等を持ち逃げする事件が多発しています。土曜、日曜は特に気を付けて下さい。鍵は必ず手から放さずに。
④マナーのお願い 浴槽に入る前に下部分を洗ってから入浴して下さい。
⑤ 髪を染めるの厳禁 他人にもフロ屋にも迷惑 髪染め確認した方は以後入浴お断り。ペナルティ金(迷惑料)2000円を頂きます。とにかく染めないこと!
「ロッカー荒師」という言葉も初耳だが、公衆(浴場)の面前で「2~3人でコンビを組んで、バール、ドライバー等でロッカーの戸をこわして開ける者」がいるのだろうか。また、「お気づきの方は・・・」とあるが、そんな大がかりな仕事に気づかない人がいるだろうか。気がついても「おそろしくて何もできない」か、「フロントに知らせたくない」(そのコンビの見張り役)かのどちらかであろう。いずれにせよ、この浴場では、①金品が盗まれる、②下部分を洗わないで入浴する、③髪染めをする、などの違法・不法行為が目立つということを店主みずからが警告していることに間違いはない。その結果、客同士がお互いを不審な目で見ることになり、一種独特な雰囲気が醸し出される。泥棒を捕まえたら1万円の御褒美、髪を染めたら2000円の罰金、というシステムも、その「割り切り方」が単純明確で、大変わかりやすかった。
浴室の設備も、至って簡素、シャワー、ジャグジー、ソープ、シャンプーなどは皆無、
黄色い湯おけ(プラスチック製・「ケロリン」マーク入り)と、赤(湯)・青(水)のカラン、大小二つの湯船に水飲み場だけという風情であった。湯船の中には、「保健所の指導」により、大きなナフタリンのように見える消毒剤が投入されていることも、興味深い。
ここは浅草、本堂や仲見世が観光客でごった返しているというのに、入浴客は3~4人程度、身も心もゆったりとして、汗を流すことができた次第である。
午後5時から、木馬館で大衆演劇観劇。「市川千太郎劇団」。
(2008.8.3)
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