梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「旧約聖書」通読・《創世記》・第22章

■第22章
・これらの事の後、神はアブラハムを試みて言われた。「あなたの子、イサクを連れてモリヤの地に行き、わたしが示す山で、彼を燔祭としてささげなさい」。アブラハムは朝早く起きて、ろばにくらを置き、ふたりの若者と、イサクを連れ、燔祭のたきぎを割り、神が示された所に出かけた。3日目に、アブラハムは目をあけて、はるかにその場所を見た。そこでアブラハムは若者たちに言った。「あなたはたはロバと一緒にここにいなさい。わたしとわらべは向こうへ行って礼拝し、そののち帰ってきます」。アブラハムは、燔祭のたきぎを取って、イサクに負わせ、手に火と刃物とを執って、ふたり一緒に行った。やがてイサクは言った。「父よ。火とたきぎとはありますが、燔祭の小羊はどこにありますか」。アブラハムは言った。「子よ。神みずから燔祭の小羊を備えてくださるであろう」。こうしてふたりは一緒に行った。
・彼らが神の示された場所にきたとき、アブラハムはそこに祭壇を築き、たきぎを並べ、その子イサクを縛って、祭壇のたきぎの上に載せた。そしてアブラハムが手を差し伸べ、刃物を執ってその子を殺そうとした時、主の使いが天から彼を呼んで言った。「アブラハムよ、わらべを手にかけてはならない。また何も彼にしてはならない。あなたのひとりの子さえ、わたしのために惜しまないので、あなたが神を恐れる者であることをわたしは今知った」。この時、アブラハムが目をあげて見ると、うしろに、角をやぶに掛けている一頭の雄牛がいた。アブラハムはその雄牛を捕らえ、その子のかわりに燔祭としてささげた。それでアブラハムはその所の名をアドナイ・エレと呼んだ。これにより、人々は今日もなお「主の山に備えあり」と言う。
・主の使いは再び天からアブラハムを呼んで、言った。「主は言われた。『わたしは自分をさして誓う。あなたがこの事をし、あなたの子、あなたのひとり子をも惜しまなかったので、わたしは大いにあなたを祝福し、大いにあなたの子孫をふやして、天の星のように、浜辺の砂のようにする。あなたの子孫は敵の門を打ち破り、またもろもろの国民はあなたの子孫によって祝福を得るであろう。あなたがわたしの言葉に従ったからである』」。アブラハムは若者たちの所に帰り、みな立って、共にベエルシバへ行った。そしてアブラハムはベエルシバに住んだ。
・これらの事の後、ある人がアブラハムに告げて言った。「ミルカもあなたの兄弟ナホルに子どもを産みました。長男はウズ、弟はブズ、次はアラムの父ケムエル、次はケデデ、ハゾ、ビルダシ、エデラフ、ペトエルです」。ベトエルの子はリベカであって、これらの8人はミルカがアブラハムの兄弟ナホルに産んだのである。ナホルのそばめで、名をルマという女もまたテバ、ガハム、タハシ、マアカを産んだ。
(2021.9.23)