梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「旧約聖書」通読・《創世記》・第15章

■第15章
・その後、主の言葉が幻のうちにアブラムに臨んだ。「アブラムよ恐れてはならない。わたしはあなたの盾である。あなたの受ける報いは、はなはだ大きいであろう」。アブラムは言った。「主なる神よ、わたしには子がなく、家を継ぐ者はダマスコのエリエゼルであるのに、何をくださろうとするのですか」。アブラムはまた言った。「あなたはわたしに子を賜らないので、わたしの家に生まれたしもべが、あとつぎとなるでしょう」。この時、主の言葉が彼に臨んだ。「この者はあなたのあとつぎとなるべきではありません。あなたの身から出る者があとつぎとなるべきです」。そして彼を外に連れ出して言われた。「天を仰いで星を数えてみなさい。あなたの子孫はあのようになるでしょう」。アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。
・また主は彼に言われた。「わたしはこの地をあなたに与えて、これを継がせようと、あなたをカルデヤのウルから導き出した主です」。彼は言った。「主なる神よ。わたしがこれを継ぐのをどうして知ることができますか」。主は彼に言われた。「3歳の雌牛と、3歳の雌やぎと、3歳の雄羊と、山ばとと、家ばとののひなとを、わたしの所に連れてきなさい」。彼はこれらをみな連れてきて、二つに裂き、裂いたものを互いに向かい合わせて置いた。ただし鳥は裂かなかった。荒い鳥が死体の上に降りるとき、アブラムはこれを追い払った。
・日の入るころ、アブラムが深い眠りにおそわれた時、大きな恐ろしい暗闇が彼に臨んだ。時に主はアブラムに言われた。「よく心にとめておきなさい。あなたの子孫は他の国に旅びととなって、その人々に仕え、その人々は彼らを400年の間悩ますでしょう。しかし、わたしは彼らが仕えたその国民をさばきます。その後かれらは多くの財産を携えて出てくるでしょう。あなたは安らかに先祖のもとに行きます。そして高齢に達して葬られるでしょう。4代目になって彼らはここに帰ってくるでしょう。アモリびとの悪まだ満ちないからです」。
・やがて日は入り、暗闇になった時、煙の立つかまど、炎の出るたいまつが、裂いたものの間を通り過ぎた。その日、主はアブラムと契約を結んで言われた。「わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラレまで。ケニびと、ケニジびと、カドモニびと、ヘテびと、ペリジびと、レバイムびと、アモリびと、カナンびと、ギリガシびと、エプスびとの地を与える」。
(2021.9.15)