梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

《コロナ禍》の現況

 厚生労働省のホームページで「新型コロナウィルス感染」の発生状況を見ると、7月31日現在のデータが以下のとおり示されている。
 ①PCR検査実施人数 18382964人
 ②陽性者数        913775人
 ③入院治療必要者数     61686人  
 ④重症者数           667人
 ⑤退院者数        834967人
 ⑥死亡者数         15184人
 この数値は、これまでの累計だが、③と④は現在数で日々増減している。
以上のことから、どのようなことがわかるか。
1 これまでに約1800万人余りがPCR検査を受けた。それは国内全人口の約15%に相当する。
2 そのうち約91万人余りが陽性だった。陽性率は約5%である。また、それは国内人口の約0.6%に相当する。
3 これまでに834967人が退院した。入院者の累計が示されていないので退院率はわからない。陽性者に対する割合は91.3%である。入院者の90%以上が快癒して退院していると思われる。
4 死亡者数の累計は15184人であり、致死率(陽性者数に対する割合)は約1.6%である。 
5 入院治療必要者数は、これまで「第4波」にわたって変動しており、現在は「第5波」の拡大期である。重症者数も同様の推移を示しているが、拡大の幅は小さい。死亡者数は拡大していない。
 現在、首都圏等では「緊急事態宣言」が出されているが、《陽性者数》の拡大傾向を除けば、深刻さはあまり感じられない。オリンピックが強行されている所以でもあろう。
 為政者、専門家は「新型コロナウィルス感染症」を指定感染症の2類に位置づけ、マスコミは《感染者数(陽性者数)》の拡大を報じ続けているが、感染者数は累計でも91万人余りであり、国民の1%にも達していない。つまり、この感染症が騒がれてから1年半経っても、まだ国民の99%以上が《感染していない》のである。また感染、発症、入院しても90%以上が退院しているのが事実である。インフルエンザの感染者数(陽性者数ではなく患者数)は例年1千万人といわれているので、それに比べると91万人は余りにも少ない。にもかかわらず、約3千万人がすでにワクチン接種を終えた、しかもそのワクチンの「有効期間」は「まだ不明」というのだから、不自然さがめだつのだ。まさに「はじめにワクチンありき」といった感は否めない。
 いずれにしても、何かがおかしい。不透明感がある。事態の推移を冷静に見極め、沈着に行動する必要があると、私は思う。
(2021.8.1)