梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「愛知県知事リコール不正署名事件」の《真相》・3

 「東京新聞」5月3日付け朝刊・1面に「署名書き写し依頼 認める 愛知リコール 事務局長『焦っていた』」という見出しの記事が載った。半月前(4月16日)には、常滑市議の山田豪氏が、不正署名は「事務局長が指示」したことを認め、その時点では田中孝博事務局長は「証言正しいか答えられない」としていたが、とうとう自らが「署名書き写し依頼」を認めたのである。では、なぜ田中事務局長は《今になって》事実を認めたのだろうか。半月前には名古屋市長選が行われており、自分の発言が選挙結果に影響することを恐れたから?・・・。名古屋市長選は不正署名への関与を疑われていた河村たかし氏が、《苦戦の末》当選した。だから、《内心ほっとして》もう事実を認めても差し支えないと考えたのだろうか。記事には〈田中氏は依頼した理由を「予定通り署名が集まっておらず、焦っていた」と説明。活動団体会長で美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が、会員制交流サイト(SNS)などで署名集めの順調さを発信していたことなどから「恥をかかせるわけにはいかなかった」とも語った。〉と記されているが、当の高須氏は「もしそれが事実なら、会長として一切の責任をとる」と明言している由、恥をかかせたうえで詰め腹を切らせるなんて、とんだ《事務局長》があったものだ。
 事はそれだけでは終わらない。高須氏と河村市長の信頼関係まで毀れたらしく、リコール運動を発起したのは河村市長なのに、高須氏は「(河村氏から)自分が発起人にさせられてしまった」ことに憤りを感じている。結果、二人は今、《絶交状態》にあるということだ。
 さて、高須氏は自らの責任を明言したが、彼とともに当初の記者会見に同席した(リコール運動に加担した)武田邦彦氏、百田尚樹氏、竹田恒泰氏、有本香氏らはどのような責任をとるつもりなのだろうか。興味深く、動向を見続けたい。お天道様が見ていますぞ。
(2021.5.4)