梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「ここまでわかった新型コロナ」(上久保靖彦、小川榮太郎・WAC・2020年)要約・25・《■PCR検査を煽った狂気の洗脳》

■PCR検査を煽った狂気の洗脳
【小川】7月11日に、感染者が東京都中心に増えていることに対して、菅義偉官房長官は「東京問題』だと言った。つまり、新型コロナ問題は、小池都知事の政策判断、政治ショーであって、感染症問題ではないと菅さんははっきり言った。そしてGoTo運動を主導した。ところがマスコミのGoTo非難が始まる。PCRで感染者増を煽って日本を萎縮させる狂気の洗脳が7月から開始された。その結果、政府はGoTo運動を進めているのに、大企業などが大幅に出張を控えて、新幹線ががら空きという異常な状況が続く。政府の方針を信じないで、マスコミの煽りを大企業の経営者が信じる。もう一つターゲットにされ続けたのが夜の街だ。ホストクラブなどがひどく批判されてきたが、どう考えるか。
【上久保】キスしたりする機会が多い場所は喉から喉にうつるからかかりやすいのは事実だ。でも人がいればクラスターはどこでも発生する。町でも知らない間にうつる。町を歩いていて何か咳や痰が出て変だな?というのはそうだ。ホストは20~30歳位で、もともと免疫をもっていないということはあり得ない。既感染パターンで、免疫を持っている人に、ウィルスが曝露しているわけだから重症化はしない。それを集団検査でカウントしにいっている。検査はやっただけ増えるということだ。
【小川】夜の街についてはどうすればよいか。
【上久保】検査はやらずに普通に店を開いて、商売をすればいいだけだ。
【小川】銀座なんかだと客層は50代から70代中心だけどどうか。
【上久保】大丈夫だ。遊び歩いている人というのは免疫を持っているから大丈夫だ。だから、極めてシビアな免疫不全、基礎疾患が重くて風邪を引いたらすぐ肺炎になってしまいそうな、病院で寝たきりになっているような人だけ、慎重に対応すればいい。
【小川】老人ホームなどはどう対処したらいいか。
【上久保】この数か月、慰問で来ていただいて、職員と話をするというような人は大丈夫だ。外から人が入るから、抗体ができていると考えられる。
【小川】要するに、エボラじゃなくてコロナだ。コロナというものは、常在ウィルスで、非常にROが高い。
【上久保】コロナ型ウィルスのRO値は、どんな研究者も正確には測っていないと思うので断言はできないが、集団免疫に必要な感染者数は60~80%くらいだろうか。
【小川】コロナはほとんどの人は無症候で気付かずにうつしあって、たぶんそのくらいの感染者を例年出していたということになるわけだ。旧型コロナですらその位の人が感染し続けてきた。それよりRO値が高い新型コロナの感染者が、それより少ないはずがないというのは常識だ。
【上久保】今回のように、スパイクに変異が入ったときにはうつす確率は高くなる。だからこそ、気がつかないうちに、うつさせておくのが必要なのだ。コロナの場合は順番にかからないとダメ。
【小川】それは今回の実態が証明していると考えられる。日本、中国周辺国、北京や上海も感染爆発は起こっていなかった。ロシア、中国本土、ASEAN、日本、朝鮮、オーストラリア、ニュージーランドぐらいまではほとんど感染爆発は起こっていない。
【上久保】いや、感染爆発は起こっている。感染は全員している。ただひどい症状は起こっていない。ADEは起こっていない。
【小川】早く閉めた台湾はどうか。
【上久保】早く閉めたが、閉めるぞという噂が流れた途端に、先にバーンと帰ってきている筈だ。経済的、血縁的に中国と関係が濃く、近い国だから。狭い国だから入ってきたらすぐに広がる。
【小川】台湾の場合は、数万人が帰ってきたら、それだけで感染拡大するだろう。しかし、PCRどで陽性者も殆ど出なかったのではなかったか。
【上久保】詳しく調べていないが、既に感染済みでウィルスが抑え込まれているので、PCR検査の結果は陰性に出るだろう。


【感想】
・コロナに関しては、普段通りの生活を普段通りにすればよい、というのが上久保氏の考えであり、政府もそれに従ってGoToキャンペーンを進めようとしたが、都知事やマスコミの煽動で頓挫したという構図が事実だとすれば、たいへん興味深い。世論はマスコミに左右され、政府は世論に左右されるとすれば、今やマスコミが社会を主導していることになる。では、マスコミを左右しているのは誰か、それが問題だが、決して正体を顕すことはないだろう。いずれにせよ、そのことによって「大きな利潤」が得られる立場の連中であることは間違いない。松田学氏のニュース解説(「松田政策研究所」チャンネル」によれば、ITプラット・フォーマーのGAFA(グーグル社、アップル社、フェイスブック社、アマゾン社)が莫大な利益を上げたそうだ。そうした企業とかかわりのある連中をたどっていけば、その正体がつかめるかもしれないが・・・。
(2021.2.13)