梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

厚生労働省ホームページの《疑惑》

 厚生労働省は、連日、ホームページで「新型コロナウィルス感染症」の(国内の)発生状況について公表している。ちなみに1月30日の状況は以下の通りであった。
①PCR検査実施人数:6,789,931人(前日比+42,216)
②陽性者数:383、083人(前日比+3.337)
③入院治療等を要する者の数:51,844人(前日比-1,337)
④うち重症者数:974人(前日比-1)
⑤退院又は療養解除となった者の数:325,592人(前日比+4,873)
⑥死亡者数:5,546人(前日比+108)
⑦確認中:473人(前日比-2)
 上の数値のうち⑦確認中には「PCR検査陽性者数から入院治療等を要する者の数、退院又は療養解除となった者の数、死亡者の数を減じて厚生労働省において算出したもの。」という《注》があるが、どのような意味があるのか私にはわからない。これまで、それ以外の数値について、疑ったことはなかったが、①②⑤⑥は「累計」であり、③④は「現在数」なので、一つの表に並記するのはどうかと思ってきた。さらに最近は、その数値そのものが疑わしいことに気づいた。
 まず①PCR検査実施人数はそのまま信じるほかはない。ただし、PCR検査自体が疑わしいことがわかった。WHOはそのCT値を35以下で行うように指示しているが、日本は(欧米に倣って)45(民間では50)で行っているという。だとすれば、②陽性者数は(実際の感染者よりは)大幅に(疑陽性が)増えるだろう。陽性者数38万3083人のうち③入院治療等を要する者の数、すなわち発症者(患者)数は5万1844人に減少する。と考えるのは誤りで、②は累計、③は現在数なので双方を比べることはできないのである。現在、為政者、メディアがいう「感染者数」とはこの「陽性者数」に他ならないが、真の「感染者数」とは「入院治療等を要する者の数」であるべきなのだ。無症状の陽性者が感染させるリスクが高いと強調されているが、感染された者も無症状で終われば「問題は生じない」のである。無症状の若者が高齢者に感染させ死亡率を高めているというのなら、その根拠を具体的に示すべきである。さらに③の「現在数」は「(有症という)目に見える数」であり、その前日比が-1337人ということは、「感染者」が減ったという「事実」を示しているのではないか。④の「重症者」も然り、一時は1000人を超えたが974人に減少した。
 そして、問題は⑥死亡者数だ。前日より108人増えて5546人となった。しかし、「死因」が疑わしいのである。「新型コロナウィルス感染症(肺炎)」が原因で死亡したのか、他の原因で死亡した者が「陽性者」だったのか、厚生労働省は昨年6月に、「死亡した者が陽性者であればすべてコロナによる死としてカウントするように」といった通達を出したそうだ。そのため陽性者が自殺した場合でも、⑥「死亡者数」に含まれることになる。そんなわけで、この「死亡者数」もそのまま信じるわけにはいかないのである。
 結論を言うと、厚生労働省が連日公表している、②陽性者数と⑥死亡者数は、実に疑わしい数値であり、そのまま信じてはいけないということである。
(2021.2.1)