梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

武田邦彦氏のブログ【9/16重大配信】

 中部大学教授・武田邦彦氏が御自身のブログ【武田邦彦9/16重大配信】で、〈超弩級の事実が発覚!マスコミはこの事実を知っていながら、6か月間ひた隠しにしていました〉と述べている。「超弩級の事実」とは、武漢で発生した新型コロナウィルス感染症のリスクは、季節性インフルエンザと「同程度」であると(東京都医師会の著名な医師が)評価し、管理も「同程度でよい」と、(まだ国内に感染者が拡大していない)2月13日には考えていたということである。そのこと(同程度であること)が《事実》であるかどうかは別として、当該医師が「評価した」「考えていた」ということは事実なのだから、その情報を得たマスコミ(この場合は朝日新聞)は、《直ちに》(2月中旬に)公表すべきであった、というのが武田氏の主張である。朝日新聞は、その事実を6か月後の8月30日になって、《初めて》明らかにした。もし、2月の時点で公表していれば、以後の「自粛ムード」、現在も続く経済損失、陰鬱感は少しでも軽減されただろうに、と武田氏は憤っているのだろう。氏はさらに、この事態は朝日新聞が「仕組んだウソ」であり、その狙いは、独占的な権利を使って「国民(の心を)弄ぶ」ためだと言う。そればかりか、「政府もマスコミに押し切られてしまった」(新型コロナウィルスのリスクは季節性インフルエンザと「同程度」だとは公表できなかった)と言及しているが、本当にそうだろうか。  武田氏は、東京都医師会の著名な医師が誰か、8月30日の朝日新聞の記事名を具体的に明らかにしていないので、【重大配信】の《重大性》が、私には伝わってこない。この記事を知人に紹介したところ、「新型コロナウィルスが季節性インフルエンザと同程度あるいはそれ以下の病毒性だということは《皆が感じている》ことだ。問題は、(政府が)新型コロナウィルスを指定感染症の2類に《いつまでも》位置づけていることではないか。一時も早く、2類から5類に変更することが求められている」という反応だった。
 私も同感で、マスコミが「国民を弄ぶ」以上に、政府が事実を《隠蔽》して「騙し続ける」ことの方が《重大》だと思った。今の政府は「マスコミに押し切られる」ほど《お人好し》ではない。
(2020.9.21)