梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「新型コロナウィルス」についての《半信半疑》(6)

 中部大学総合工学研究所特任教授・武田邦彦氏もまた、「新型コロナウィルス感染症は、通常の風邪と変わらない」という見解を示している。最近(6月24日)の御自身のブログでは“このノーベル賞学者は信用するな”というタイトルで、山中伸弥氏の情報発信に(直接触れてはいないものの)疑問を投げかけている。山中氏のサイトでは、黒川登志夫氏の記事が以下のように紹介されている。


〈・ COVID-19パンデミックは,2019年12⽉1⽇、武漢の感染者⼀⼈から始まりました。 それから190⽇の間に, 724万⼈が感染し、41万⼈が死亡したのです。現在の世界の感 染者と死亡者を宇川彰先生(学振)に分析していただきました。
*《宇川氏の分析》
中国での感染拡⼤は2月中に終息に向かい、倍加日数はこれを反映して60⽇を超えるところまで上昇した。その後の急降下は、2⽉末からの欧洲と北米での急激な感染拡⼤による。倍加日数はその後緩やかに上昇し、6⽉はじめの⼀週間の値は37⽇前後である。この日数は決して大きな日数ではない。このペースで拡大が続けば、6ヶ⽉後の2020年末には、感染者数は現在の約2の5乗=32倍、即ち2億2千万⼈を超えることになる
〈5−6⽉コロナウイルス感染が⼀応収まったとき,第⼆波を恐れる声があがりました。東 京、北九州市などで感染者が増え始めたとき,第⼆波という記事がメディアに出ました。しかし、これは第二波ではなく、単に抑え込みが不⼗分な状態で緊急事態宣言を解除したため、姿をくらましたウイルスがまた顔を出しただけです。
 第二波、第三波という考えは,100年前のスペイン⾵邪の時に使われた言葉です。(略)第⼀波は1918年春から始まり、半年の間にアメリカ、ヨーロッパ、アジアへ と広がりました。第⼀波では、住民の0.5%前後が1週間で死亡しています。しかし、 1918年9⽉からその年の暮れにかけての第二波は、はるかに凶悪でした。11⽉の中旬には住民の2.5%が1週間で死んでいます。そして、第2波が収まった後,1919年3⽉に第三波が襲ってきたのです。1918年3月から1919年3月までの1年あまりの間に3回波状攻撃を受けたことになります。(第二波、第三波で は、一ケ月に4万⼈前後の犠牲者を出した)コロナでもこんなことになったら大変です。〉 


 これをみると、①「新型コロナウィルス」の感染者は2020年末には全世界で2憶2千万人を超える、②スペイン風邪の時は、日本で「第二波」「第三波」合わせて8万人が死んだ。コロナでもどうなるかわからない、ということが《意図的》に結びつけられているように感じる。さればこそ、武田邦彦氏は“このノーベル賞学者(の情報)は信用するな”と警告しているのだ、と私は思う。どちらの見解を信用するかは自由だが、科学者は「すでに済んだこと」を基に「根拠を示して」論じなければならないことを、武田氏は強調している。過去のデータは未来を予測する根拠になるか否かも見解が分かれるだろうが、「新型コロナウィルス」と「スペイン風邪」のウィルスが同質であるという根拠が示されなければ、「スペイン風邪」による犠牲者数をカウントしても意味がない。ただ人々を不安にするだけの情報ではないだろうか。


 メディアは未だに「感染者数」をカウントし報道し続けている。人々はすべからくマスクを着用、アルコール消毒を徹底して、「第二波」の攻撃を恐れている。
 《コロナ騒ぎ》が始まって半年、もうそろそろ《その正体》が為政者、専門家、メディアによって明らかにされてもよいのではないか。(おわり)
(2020.6.24)