「新型コロナウィルス」についての《半信半疑》(1)
これまで「新型コロナウィルス感染症」について、様々な立場の、様々な人が、様々な見解を述べたが、それらはほぼ二群に大別されると思われる。
その一は、政府、専門家会議らによる見解である。それは4月初旬に出された「緊急事態宣言」の冒頭で以下のように示されている。
〈・・・新型コロナウィルス感染症については、肺炎等の重篤な症例の発症頻度が相当程度高く、国民の生命および健康に対して重大な被害を与える恐れがあり、かつ、感染経路が特定できない症例が多数に上り、かつ、急速な増加が確認されており、医療提供体制もひっ迫してきている・・・〉。
この見解の特徴は、要するに、「新型コロナウィルス感染症」は《重篤な症例》を発症する頻度が高いこと、感染力が強いことを強調している点である。いわば「油断大敵」の警鐘を鳴らしている悲観論だ。この見解は専門家会議座長・脇田隆字氏(国立感染症研究所所長)、副座長・尾身茂氏(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)、東北大学教授・押谷仁氏、北海道大学大学院教授・西浦博氏らによるものだが、それに追従するのがテレビ、新聞、雑誌等のマスメディアであろう。さらに、それを補完する形で、京都大学iPS細胞研究所所長・教授・山中伸弥氏の発言があり、その中で東京大学名誉教授・黒木登志夫氏、京都大学名誉教授・川村孝氏、参議院議員(慶応大学教授)、古川俊治氏らの見解も紹介されている。
山中氏曰く《緊急事態宣言が全国で解除されました。しかし新型コロナウイルスへの対策はこれからが本番です。まだ青信号ではなく、黄色信号が点滅している状態です。ウイルスに細心の注意を払いながら経済活動を再開させなければなりません。新型コロナウイルスは感染しても無症候や軽症が多いという特徴があります。自分が感染しているかもしれないという前提で、周りの人への思いやりが重要です。私はSocial distanceを思いやり距離と訳しています。正しい行動を粘り強く続ければ、ウイルスとの共存が可能となります。自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守りましょう!》(「山中伸弥による新型コロナウィルス情報発信」より引用)
山中氏の見解の特徴は、感染すれば《重篤な症例》を発症する頻度が高まるので、《感染するかしないか》《感染させるかさせないか》を最重要視している点であろう。政府、専門家会議、自治体首長、マスメディアの見解と「ほぼ同じ」と考えられる。(つづく)
(2020.6.15)
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