梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《あと1か月の辛抱だ》

   4月26日現在、東京都の新規感染者数が71人になり、4月14日以来12日間続いた「100人超え」を下回った。はたしてこれは終息への第一歩か。まだ何ともいえないが、100人未満が3日間続けば、その兆しが見えたと思っていいのではないか。
 私は「東京新聞朝刊2面」に連載されている《国内の新型コロナウィルス感染者》に表示された(4月1日以降の)数値を、エクセルに入力してその推移を見ている。東京の感染者数の累計は当然「増加の一途を辿っている」が、直近の3日間(4月23日~26日)の「増加率」は1.1倍未満(1.094倍)であり、それまでの3日間(4月22日~25日:1.115倍)、(4月21日~24日:1.128倍)、(4月20日~23日:1.121倍)、(4月19日~22日:1.115倍)に比べて、最小値になった。つまり、感染者数の拡大は4月21日~24日をピークとして、鈍化に向かうのではないか、と考えられる。そして東京の動向は、日本全体の動向を左右する。「厚生労働省」のホームページによれば、感染者数の最も多いのは東京だが、人口1万人あたりの感染者数も2.7人で突出している。2番目は石川(1.97人)であり、以下、大阪(1.68人)・富山(1.68人)、福井(1.56人)、千葉(1.24人)、福岡(1.17人)、北海道(1.14人)、兵庫(1.13人)、京都(1.12人)、埼玉(1.07人)、神奈川(1.03人)、高知(1.03人)、という順で、その他の地域はいずれも1人未満である。したがって、今後の動向は上記の地域がカギを握っていると思われる。
 同ホームページによると、致死率が高い地域は、群馬(6.4%)、愛媛(6.4%)、愛知(6.3%)・長崎(6.3%)、北海道(4.2%)だ。一方、退院者の入院者に対する割合が高い地域は、青森(63.6%)、徳島(60.0%)、山口(58.1%)であり、山形、京都、秋田、山梨、和歌山、愛媛、宮崎、大分も40%台である。ちなみに東京は1.5%であり「全国最低」の割合である。だから、とりあえず、東京の退院者が増えていかなければ、終息には結びつかないともいえるだろう。
 4月26日現在、全国の感染者数の前日比(増加率)は、ほとんど1.1倍未満となった。次は3日前比も1.1倍未満になるかどうか・・・。東京(1.09倍)、大阪(1.08倍)、神奈川(1.09倍)、福岡(1.07倍)、愛知(1.03)、大都市をかかえた地域は懸命に拡大を抑えている。あとは1.1倍以上の佐賀(1.85倍)、島根(1.37倍)、石川(1.26倍)、和歌山(1.16倍)、岡山(1.15倍)、北海道(1.14倍)、新潟(1.12倍)、埼玉(1.11倍)の動向がカギを握るだろう。 
 いずれにしても、東京および大都市のピークは過ぎつつある。《あと1か月の辛抱だ》。
(2020.4.27)