梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《世界の動向と日本・3》

 AFP通信社によれば、4月24日午前4時現在、世界の新型コロナウィルス感染者は約267.5万人、死者は18万6462人ということである。この数字を見ただけでは、増えているものやら、減っているものやら判断できない。そこで、A:4月23日の数値と2週間前(9日)を比べ「何倍に増加したか」を見る。次にB:4月22日の数値と2週前前(8日)を比べる。さらにC:4月21日の数値と2週前(7日)を比べる。最後にD:4月20日の数値と2週前(6日)とを比べて、A、B、C、Dの数値の変化を辿ってみた。(数値は「東京新聞」朝刊2面《新型コロナウィルス感染が多い国・地域》の表にもとづく)
 つまり、A<B<C<Dという不等式が成り立てば、世界の感染者数・死者数の拡大は「鈍化し始めている」といえるのではないか。要するに、4月20日よりも21日、21日よりも22日、22日よりも23日の方が数値が少なくなっていれば、拡大は抑えられているのではないか、ということである。
 そうした観点で、4月6日から23日までの数値(増加率)の推移を見ると、以下のことがわかった。
 感染者数では、どの国においても、A<B<C<Dが成り立つ。
・米国:1.94倍<2.06倍<2.13倍<2.24倍
・ドイツ:1.36倍<1.40倍<1.42倍<1.46倍
・英国:2.19倍<2.33倍<2.41倍<2.51倍
・トルコ:2.58倍<2.80倍<3.01倍<3.18倍
・日本:2.09倍<2.24倍<2.40倍<2.46倍>
 ちなみに、終息期を迎えたといわれる中国本土は:1.01倍≒1.01倍≒1.01倍≒1.01倍であった。
 したがって、中国、韓国、欧米諸国の感染者数の拡大は「2週間で2倍程度」であり、徐々に収まりつつあるといえるのではないか。ただし、それ以外の国の動向は不明である。 同じことが、死者数についてもいえるかどうか・・・。
調べてみると、以下のことがわかった。
・米国:3.15倍<3.48倍<4.38倍>4.21倍
・ドイツ:2.42倍<2.61倍<3.02倍>2.95倍
・英国:2.55倍倍<2.81倍<3.34倍>3.25倍
・トルコ:2.92倍<3.11倍<3.72倍>3.51倍
・中国本土:1.38倍≒1.38いつづければ倍<1.39倍≒1.39倍
・日本:2.76倍>2.70倍>2.69倍>2.53倍
 米国、ドイツ、英国、トルコは4月7日から21日までを最大値として、8日以後は下降している。中国はほぼ横ばい状態である。そして日本は、他国とは対照的に、死者が2.53倍から2.76倍まで上昇し続けている。
 感染者数の増加は抑えられているが、死者数の増加は「歯止めが効かない」か。
現在はまだ329人に抑えられているが、このまま増加し続ければ(油断して医療崩壊が起これば)、1000人を超えるおそれが十分にある、と私は危惧する。
(2020.4.24)