梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《今後の見通し・2》

 今後、「新型コロナウィルス」の感染の行方はどうなるのか。《誰もわからない》というのが、本当のところだと思われる。そこで厚生労働省のホームページ(【国内の事例)】に示されている数値をもとに、これまで(3月末からのほぼ1ヶ月間)の推移をふりかえり、現状を分析してみたい。まず感染の有無を確認するPCR検査実施人数は、4月20日現在、3月26日に比べて4.37倍に増えた。その結果、陽性者数は7.41倍に増え、要入院者数は9.79倍に膨れあがっている。しかし、退院者は3.35倍に止まっている。つまり入院者は増え続け、退院者は「増え方が足りない」ことがわかる。重度者は3.86倍、死者は3.79倍であり、陽性者、要入院者の増加の割には「抑えられている」。 
 次に、これまでの推移を、①3月27日、②1週後の4月3日、③2週後の4月10日、④3週後の4月17日、の時点で見てみる。
 退院者の要入院者に対する割合は①41.3%だったが、②25.1%→③15.7%→④12.6%と下降傾向にある。
検査者のうち陽性者の割合は、①5.2%だったが、②6.7%→③7.7%→④8.6%と上昇傾向にある。
 陽性者の入院する割合は、①65.2%だったが、②76.4%→③85%→④87%と上昇傾向にある。
 入院者のうち死者の割合は、①5.0%→②3.0%→③1.9%→④1.8%と下降傾向にある。
 死者の重度者に対する割合(重度者の何%が死亡するか)は、①81.6%→②98%→③75.2%→④71%、しかし直近(4月19日)は74%に上がっている。
重度者の入院者に対する割合(入院者の何%が重度化するか)は、①6.1%→②3.1%→③2.5%→④2.5%である。
 以上からわかる「現状」は、検査者数が増えるにしたがって陽性者も増えており、陽性者が入院する割合も増えている。しかし、退院者は3月末に比べて「人数は増えているが」入院者に対する割合は減っている。ただし、死者は3月末は入院者の5%だったが、1.8%まで抑えられている。重度者が死亡する割合も一時は98%まで上がったが、現在は70%台に抑えられている。重度者の入院者に対する割合も2%台に抑えられている。
 ということは、感染の拡大(陽性者の増加)は「依然として」続いているが、医療関係者・従事者の(文字通り)懸命な努力により、重症化、死亡へのプロセスが《辛うじて》食い止められている、といえるのではないか。
 さればこそ、私たちは医療機関にこれ以上の負担をかけないように努めなければならない、まさに病院は《戦時》なのだから、まず自分が感染しないように、感染したと思っても、ただやみくもに病院を頼ることがないように、覚悟しなければならない、と私は思う。
 4月20日の時点では、それぞれの数値の前日比は1.1倍未満であった。しかし、3日前と比べると1.1倍以上になる。この3日前との比が1.1倍未満になった時、ようやくピークを超えた(終息に向かう)といえるのではないか。
 とはいえ、こんな見通しは甘い甘い・・・、単なる願望に過ぎない。と賢者からは一笑に付されることは間違いない。
(2020.4.22)