梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《公表値は「氷山の一角」・山中伸弥氏の至言》

 厚生労働省は「相も変わらず」そのホームページに「新型コロナウィルス」の感染者、入院者、軽中度者、重篤者、退院者等の人数を並記するだけで「現状」を示しているつもりだろうが、数字だけ見せられても、国民には「感染の動向」はわからない。
 私は連日の数値をエクセル(表計算ソフト)に入力して、その推移(増加率)を見ているので、現状が「拡大に向かっているのか」「横ばいなのか」「終息に向かっているのか」について《おぼろげなから》わかる。4月16日現在、(4日前の)12日と比べて、陽性者(1.1~1.2倍)、入院者(1.18倍)、重度者(1.42倍)、死亡者(1.30~1.33倍)は「軒並み」増えている。それに比べて退院者(1.09~1.17倍)の増加率は低い。その傾向は、前日(14日)比でも同様であり、死亡者(1.13~1.14倍)、重度者(1.14倍)に対して退院者は(1.02~1.03倍)と最低なのである。  つまり、「現状」は《ゆるやかに拡大しており》、感染し、重度化し、死亡するケースが増えているが、快復して退院するケースは「増えていない」ということがわかる。  したがって、事態は《深刻》だ。しかし、厚生労働省はじめ政府の面々は、そのことを明らかにしない。必要以上に国民の不安をかき立てないという配慮か、それともおのれの無能・無策を覆い隠すためか。
 いずれにせよ、各国の公表値に比べて、およそ十分の一にも満たない感染者数、死者数ということは、それが「氷山の一角」にすぎないことを物語っている。なにせ、国有地を十分の一で払い下げても「頓着しない」政府なのだから、公表値をその程度に抑えることなど「自家薬籠中」の仕業ではあるまいか。
 だから、実数は公表値の10倍以上だと思えば「だまされること」はない。最少でも、感染者は10万人弱、死者は2000人に上っていることを、国民(私)は覚悟しなければならない。山中伸弥氏は御自身のサイトで以下のように呼びかけている。
《新型コロナウイルスとの闘いは長いマラソンです。都市部で市中感染が広がり、しばらくは全力疾走に近い努力が必要です。また、その後の持久走への準備も大切です。感染が拡大していない地域も、先手の対策が重要です。私たちが一致団結して正しい行動を粘り強く続ければ、ウイルスは力を失います。自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守りましょう! 》すべての国民は、この至言に耳を傾け、ただちに応じるべきだと、私は思う。
(2020.4.17)