梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《11人に1人が感染者》

 世界の動向を見ると、新型コロナウィルスの感染者数は、ようやく拡大を「鈍化」(前日比1.1倍未満)しつつあるようだ。死者数も米国の増加率が(初めて)「鈍化」した。しかし、日本は「依然として」検査実施人数14万未満(国内事例では9万未満)、感染者数1万人未満、死者数200人未満という、(世界とは比較できない)低数値の推移しか示されていないので、現状から今後の動向を予測することは、極めてむずかしい。それが、国民の不安をいっそう駆り立てる結果になるのだろう。
 報道では、連日、地域別に「感染者数」「死者数」(および前日比)が数字で示されているが、それが拡大を重ねているものやら、食い止めているものやら、一向に判然としない。そこで4月13日から14日にかけて「何倍に増えたか」を都道府県別に計算してみると、以下のことがわかった。(数値は「東京新聞」朝刊2面・「国内の新型コロナウィルス感染者」の表にもとづく)
① 最も増加したのは香川(2.5倍)であり、以下、広島(1.40倍)、滋賀(1.27倍)、島根(1.25倍)、宮城(1.18倍)、佐賀(1.15倍)、富山(1.12倍)、三重(1.12倍)、熊本(1.10倍)であった。
②前々日と比べて増加率が減少したのは、沖縄(1.28倍→1.05倍)、長野(1.28倍→1.02倍)、山口(1.26倍→1.04倍)、石川(1.16倍→1.08倍)、埼玉(1.15倍→1.05倍)、千葉(1.14倍→1.03倍)、東京(1.13倍→1.07倍)、群馬(1.13倍→1倍)であった。
③前日比1倍(増加なし)は、青森、群馬、福井、鳥取、徳島、高知、長崎、宮﨑、鹿児島であった。
④その他の地域は1.1倍未満であり、目立った変化はない。
⑤唯一、岩手だけは「依然として」感染者ゼロを続けている。


 厚生労働省のホームページでは、4月14日現在、PCR検査者89551人、陽性者7645人という数値が示されている。感染率は8.5%だから(今すでに国民の)100人のうち9人(11人のうち1人)が感染者だと思って行動することが肝要だ。上の①に該当する地域では、人数が少ないからといって油断は禁物である。②~⑤の地域は、いっそう気を引き締めて、「3密」を生じさせない努力が求められる。
(2020.4.15)