梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《国内の動向・厚労省の数値は?》

 厚生労働省のホームページによれば・・・。*( )は前日比、↑は数値の上昇、↓は下降、→は不変。●は《増加率》1.1倍未満、▲は1.1倍以上、■は不変。
【新型コロナウィルス感染症に関する入退院の状況】(PCR検査実施数59705件) 4月1日18時現在、▲感染者3753人(1.31倍↑)、▲入院者1851人(1.12倍↑)、●退院者1124人(1・03倍↓)、●死亡者71人(1.04倍↑) 
【国内の現在の状況について】(4月2日12時現在・クルーズ船事例を除く) 
《PCR検査陽性者数》、●PCR検査者34510人(◎+2人、1.00005倍↓)、▲陽性者2281人(◎+203人、1.11倍→)、
《PCR検査陽性者の有症・無症の別》
●有症状者1723人(◎100人、1.06倍↓)、▲無症状者272人(◎+22人、1.11倍↑)、
《入退院等の状況》
▲要入院者1816人(◎+167人、1.10倍↓)、▲軽中度941人(◎+89人、1.10倍↓)、●重篤62人(◎+2人、1.03倍↑) ▲退院者505人(◎+3人、1.16倍↓)、●死亡者60人(◎+3人、1.05倍↑)
 上の数値からどのようなことがわかるか。
まず4月1日現在、PCR検査を59705件実施した。その6.2%にあたる3753人が感染者であった。感染者の49.3%にあたる1851人が入院中である。また、29.9%にあたる1124人が退院した。1.8%にあたる71人が死亡した。
 つぎに4月2日現在、クルーズ船事例を除く国内では、PCR検査を34510人に実施した。その6.6%にあたる2281人が陽性者である。陽性者の75.5%にあたる1723人が有症者であり、11.9%にあたる272人が無症者である。要入院者1816人の50.5%(941人)は軽中度者、27.8%(505人)は退院したが、3.4%(62人)は重篤者、3.3%(60人)は死亡者である。この状況は、世界の国々と比べて《最悪》とはいえないが、注目すべき点は◎の数値だ。4月1日から2日にかけて、PCR検査者は2人しか増えていないのに、陽性者は203人、有症状者は100人、要入院者は167人増えている。
 《これはいったいどういうことなのか?厚生労働省は『ていねいに』説明しなければならない》、と私は思う。  
それでなくても、日本が公表する感染者数等には、有用性に疑問が投げかけられているそうだ。さもありなん、現在までのPCR検査実施件数は6万件弱、日本の人口の1万分の6程度に過ぎない。今日の東京新聞朝刊(3面)には《「感染者統計にゆがみ」日本の少数検査に苦言 シカゴ大・山口一男教授》という見出しの記事が載っている。安倍首相は、「検査数が制限されているので他国と比較できない」という批判に対して「死者の数は多くない」と強弁した由、山口教授は「死亡者数も年間10万人前後にのぼる一般の肺炎死亡者の中に隠れてしまう」と分析する。
 文書の改竄や数値の隠蔽は、安倍政権の常套手段だから、これまでの公表はすべて、国民への「忖度」だったか。だとすれば、感染者数2千万、死者数10万人という私の予想が、いよいよ現実味を帯びてきた、というわけである。
(2020.4.3)