梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《国民の正念場》

 3月13日から14日にかけて、世界の感染者数・死者数の「増加」の様相は以下のとおりである。(●は増加率の減少、▲は増加率の拡大。■は不明・数値は「東京新聞朝刊」掲載の表《新型コロナウィルス感染者が多い国・地域》にもとづく)


《感染者数・増加率》(13日→14日)
●中国11人(1.0001倍) ●韓国107人(1.01倍) ●イタリア2547人(1.16倍) ●イラン1365人(1.12倍) ▲日本43人(1.03倍) ▲フランス785人(1.27倍) ●ドイツ692人(1.29倍) ▲スペイン1889人(1.48倍) ●米国472人(1.28倍) ■スイス不明 ■スウェーデン131人(1.19倍)
《死者数・増加率》(13日→14日)
▲中国13人(1.004倍) ●韓国1人(1.01倍) ▲イタリア250人(1.24倍) ●イラン97人(1.18倍) ●日本0人(1倍) ▲フランス18人(1.29倍) ●ドイツ0人(1倍) ▲スペイン46人(1.51倍) ▲米国7人(1.17倍) ■スイス不明


 感染者数・死者数の「増加率」が《ともに》拡大している国は、フランス、スペインである。WHO(世界保健機関)の事務総長が「今や欧州がパンデミックの中心地となった」と述べる根拠になっていることがわかる。一方、《ともに》減少している国は、韓国、ドイツであり、両国から「拡大防止策」を学ぶことが肝要だ、と私は思う。
 また、感染者数よりも死者数の増加が深刻であることは言うもでもない。死者数の「増加率」が抑えられているのは、日本、ドイツ、韓国だ。まさに重症者に対する医療対応、高齢者・慢性疾患者に対する予防対策が問われるが、医療関係者の尽力、国民の日常的な努力・協力の結果が今「現れている」ということか。


 ところで、厚生労働省のホームページを見ると、「国内の発生状況」の中に、《新型コロナウィルス感染症に関する入退院の状況》という表が示されている。
 それによると、3月13日18時現在(*はクルーズ船事例 ・国内事例)
■PCR検査陽性者 1371(+40) *657     ・714(+40)
      退院者 600(+75) *456(+16) ・144(+9)
      死亡者 28(+2)   * 7        ・ 21(+2)
      入院中 743(-37) *194(-66) ・549(+29)
 3月13日現在の感染者数は、「東京新聞」では1419人とされているのに、ここでは1371人で、-48人の誤差が生じているが、どちらの数値を信用すればよいか、国民にはわからない。それはともかく、クルーズ船事例を見ると、感染者657人のうち70%近い456人はすでに退院した、ということがわかる。したがって、クルーズ船事例に限れば、(ほぼ2か月余りで)「まもなく終息」するだろう。しかし、国内事例ではまだ退院者は感染者の20%(144人)に過ぎず、逆に入院者が増えている(+29人)。もし、感染者が《これ以上拡大しなければ》、今後2か月余りで「終息に向かう」かもしれないが・・・、それまで全校休校、イベント開催中止、外出自粛、日用品の買い占め・転売禁止等々といった「耐乏生活」にどこまで耐えられるか、今、日本人の国民性が問われる《正念場》となった。
(2020.3.15)