梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

安倍内閣の《無能・無策》

 〈国内では5日、新たに38人の新型コロナウィルス感染が確認され、感染者数はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員を含め計1055人となった。〉(「東京新聞3月6日付け朝刊・2面) 
 3月4日午後の時点で国内感染者数は1032人、5日現在1048人(同・「新型コロナウィルス感染者が多い国・地域」3面)だから、増加は16人のはずである。もしそれから7人増えて1055人になったとしても、23人の増加であり、上の《新たに38人》という数字は、いつを起点としているのかわからない。今が終息か拡大かの瀬戸際だとすれば、あいまいな数値をもてあそぶことは許されない。
 私はこれまで1日当たりの増加数の基準を《19人》とし、それ以上なら拡大、それ以下なら減少(終息)へ向かうと考えてきたので、この16人か、23人か、それとも38人かという《食い違い》を見逃すことはできない。《いったいどれが正確な数値なのか》、要するに政府も、メディアも、国民のすべてがコロナ騒動の混乱に巻き込まれているということなのか。
 そんな折、安倍首相が「中韓からの入国規制」の要請を表明したそうである。中国、韓国からの入国者は指定場所で2週間待機し、国内の交通機関を使わないことを要請した由。専門家からは「何も聞いていない」「それよりも国内対策(患者集団を生み出さない取り組み)の方が先」という指摘がされている。(同・1面「首相表明」)
中国の感染者数は3月2日の時点と比べて1.004倍、死者数は1.03倍の増加でほぼ横這いになった。韓国は感染者数1.40倍、死者数1.53倍の増加だから予断を許さない。だから韓国の入国規制は当然としても、イタリア(感染者数1.82倍、死者数3.14倍)、イラン(感染者数2.34倍、死者数1.62倍)、米国(感染者数1.72倍、死者数5.5倍)からの入国も規制しなければ意味がない。どうして中国と韓国なのか、その説明も「例によって」意味不明の繰り返しになるだろう。ちなみに、日本の感染者数は1.07倍の増加、死者数は12人のまま増加していない。
 また、安倍首相は国民生活安定緊急措置法に基づき、「マスクの転売を禁止」し、違反には罰則も科せられることを表明した由、当然のことだが「遅きに失する」という他はない。そしてまた、なぜマスク《だけ》なのか。「何を今頃」、すでに「ぼろ儲けした」悪徳業者をこれから罰し、損害賠償させるとでもいうのか。今もなお、マスクはおろかトイレットペーパーが店頭に並んでいるのを目にすることができない。そのような状態が、2月中旬から半月以上続いているのだ。 
 そのことを「知りながら」放置しておいたのか、それとも全く気付かなかったのか。いずれにせよ、安倍内閣の「無能・無策」が露呈されていることはたしかだ。これを「マヌケ」というが、そんな「マヌケ」に政治を託している国民(私たち)の方が、もっと「マヌケ」だということになるだろう。
(2020.3.6)