梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

厚生労働省の《魂胆》

 厚生労働省は、かつて「日本の1日」というPDF(電子ファイル)を作成している。そこでは、平成17年から22年までの期間を対象にして、《1日あたり》生まれるのは2935人、亡くなるのは3280人という数字が示されている。亡くなる原因の内訳は①がん968人、②心疾患518人、③脳血管疾患338人、④事故111人、⑤仕事中の事故3人、老衰124人、自殺87人であった。
 新型コロナウィルス感染症による死者は1月中旬から3月初旬にかけて12人だ。《1日あたり》にすると0.25人という計算になる。《だから》、この疾患はそれほど「深刻ではない」、それよりも他の疾患、他の原因で亡くなる人が何と多いことか、などというようにPDFの作成者は考えているかもしれない。ではなぜ、(厚生労働省は)その数字を示して国民を安心させようとしないのか。まだ疾患の正体が不明であり、治療法も特定・確立していないので、今後、爆発的な流行・蔓延により死者の数が激増するかもしれない、という不安を持っているためか。つまり、①厚生労働省自体が、パニック(恐慌)状態に陥っているためか。それとも、②国民の不安を(メディア等に)煽り立て「させ」、それに便乗した「一儲け」(自己保身)を企んでいるためか。マスクの不足はともかく、疾患とは全くかかわりのないトイレットペーパー、生理用品、ティッシュ、キッチンペパー等、紙製品の品不足と価格高騰、あげくは米などの食料品にまで及んでいる有様は尋常ではない。(まだ近くのスーパーにマスクやトイレットペーパー、米などは並んでいない。)その状況で商売(取引)が行われる以上、誰かが法外の利潤を得ていることは確かである。
 誰かとは誰か。彼らは決して正体を現さない。そして「いつの時代も国民は愚かだ。すぐに騙されて自己保身・自己防衛に走る。だからこの商売はやめられない」とほくそ笑んでいるかもしれない。その片棒を担いでいるのが、政府であり厚生労働省であったとしたら・・・。
 厚生労働省の魂胆は①か、②か。いずれにせよ、それが判明するのは2週間後(3月15日頃か)、もし感染の拡大が収まらなければ①、終息の方向に向かえば②ということである。その日が来るのを《巣ごもり》しながら、楽しみに待つことにする。 
(2020.3.5)