梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

トイレットペーパーの《値段》

 日本各地の店頭からトイレットペーパーが消失した。では国民はどのようにしてトイレットペーパーを手に入れればよいのか。
 通販のサイトを見ると、以下のような案内がある。
《アマゾン》商品①35ロール・3200円(単価91円)、②12個・1380円(単価115円)、③10ロール2890円(単価289円)、④20ロール・2680円+送料500円(単価159円)。
《楽天》商品①100個6789円(単価67円)、②12ロール・811円(単価67円)、③96ロール・15000円(単価156円)、④64ロール・15000円(単価234円)、⑤48ロール・10000円(単価208円)。
《メルカリ》商品①18ロール・2200円(単価122円)、②12ロール・1500円(単価125円)、③12ロール・3200円(単価266円)、④6ロール・2380円(単価396円)
 商品によりかなりの差があるが、単価の最安値は67円(楽天の商品①②)だ。品質にもよるが最高値は396円(メルカリの商品④)、平均値は231円ということになる。
 通常の生活では、《12ロール・378円(単価32円)》で入手できるトイレットペーパーが、最安値でも2倍以上、平均では7倍以上に跳ね上がっているのが現状である。
 自然災害により野菜の値段が高騰するのは、自然のなりゆきとして許容せざるを得ない
が、今回のマスク、トイレットペーパー、キッチンペーパー、紙オムツ等々、紙製品の不足、価格高騰は、風評被害(デマ)によるものである。断じて、許すことができない。
 一部の不届き者が、デマを流し、当該商品を「買占め」、数倍、数十倍の値段で売ろうとしている。店頭の品不足に不安を感じた各家庭も「巣ごもり」の「備蓄」のために買いあさり、そうした人災に拍車をかけているのだ。 
 国民の誰もが利用している大手通販ですら、その動きに便乗していることは否めない。政府はそのことを「知りすぎるほど知っている」のに、何の手も打たずに放置している。「国民の生活を守る」などと虚言を吐くのなら、まず店頭で不足している商品を、通常の価格で購入できるような「世の中」にしてみよ。
(2020.3.2)