梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型肺炎(コロナウィルス)の《不安》・4・マスク争奪戦

 今、一番大切なことは「新型コロナウィルス」に感染しない(回避する)方法を模索することではない。なぜなら、まだ「新型コロナウィルス」による「新型肺炎」が《不治の病》だと断定されているわけではないからである。8割が「軽症」で終わるというではないか。だとすれば、その「軽症のまま自然治癒する」症例を集め、その対応方法、治癒までのプロセスを、詳細に「明示する」ことが肝要であり、それをできるのは、すでに回復した患者たち自身と、彼らを見守った医師、家族らであろう。残念ながら、そうした情報が国民に知らされていない。だから、不安が募るのである。やがて不安は恐怖に変わり、社会全体がパニックに陥るかもしれない。そのあらわれが、マスクの「争奪戦」だ。専門家によれば、マスクは「感染者」が《感染の拡大を防ぐために》(利他的に)有効だとされている。しかし、《感染から自分を守るために》(利己的に)奪い合っているのが現実ではないか。「新型コロナウィルス」は、そうした人間の浅ましさ、愚かさを嗤っているに違いない。
 為政者は、「今が瀬戸際」などと危機感をあおり立てることではなく、「感染しても大丈夫です。8割の人たちは(風邪のときと同じように)四、五日安静していれば治ります」と断言し、その事例を繰り返し紹介するべきである。「新型コロナウィルス」による致死率はわずか2%であり、治らなかった2割の人たちには、持病の悪化、高齢など、他の要因が重なったという理由が加わるのだろう。だから、本当に危機感を抱かなければならないのは、既に持病のある者、高齢者、あるいは妊婦などであり、8割の人たちは「いつも通りの生活」を送ればよいのである。もし感染したところで四、五日寝ていれば治るのだから・・・。もしそうでないというのなら、終息するまでに国内で20万人~60万人の死者が出ることを覚悟しなければならない。
(2020.2.25)