梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「叛逆老人はいま」(鎌田慧)<東京新聞「本音のコラム」>

 鎌田慧氏が東京新聞朝刊(23面)で「叛逆老人はいま」(本音のコラム)というコラムを書いている。成人の日を迎えた若者たちに、《政治に関心をもつように》という檄である。60年前の日米安保闘争、52年前の全共闘運動は敗北に終わったが、当時の若者たちは、今、叛逆老人となって、しぶとく反原発、安倍亡国政治反対運動を展開、推進しているのだから・・・、という趣旨である。その中で『続・全共闘白書』のアンケートにふれ、闘争に参加した120校、450人の老人たちの69%が「運動に参加したことに誇りに思っている」、67%が「あの時代に戻れたら参加する」、64%が「ボランティア参加」という集計結果を紹介している。そして著者は〈いま「もしも」というのは悲しいが、爆弾闘争と内ゲバがなければ、着実に運動は拡大していたはず。〉と結んでいるが、それは《ごまめの歯ぎしり》に等しい。叛逆老人はいま、過去の過ちを率直に認め、なぜ爆弾闘争を行ったのか、どうして内ゲバが生じたかについて、若者たちにしっかりと伝える責務がある、と私は思う。それこそが教訓となって、若者たちの運動を着実に拡大させるだろう。「悲しいが・・・」などと、メランコリックな感傷にふけるときではない。(2020.1.14)