梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

脱テレビ宣言・検証・《「NHK受信料不払い問題」の“怪”》

 水道、電気、電話などライフラインに関する使用料金を滞納した場合、それらの物資、サービスが供給されなくなることは必定であろう。だがしかし、NHK受信料は例外である。受信料を払っても、払わなくてもNHKのテレビ番組を視聴することができるとは、全く不可解な話である。どうしてそのような事態が生じているのか、インターネットで「NHK受信料」を検索すると、出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で、以下のような記事が目にとまった。〈スクランブル化について 現在、受信料不払いや受信契約の解消等の問題がある一方で、受信料を払わずともNHKが視聴できてしまうことや、NHKを視聴していないにもかかわらず受信料が課金される等の不公平感を無くす為、受信料を支払っている契約者以外は視聴できなくするスクランブル方式を導入する討論もなされている。デジタル放送においてはスクランブル化は技術的に困難ではないが、「特定の人にしか視聴できなくすることは情報に自由にアクセス出来なくなることになり、公共性が失われることになる」「経済的に窮地に立たされている人に対し情報格差を生じさせることになる」との理由により、NHKとしてはスクランブル化は避けるべきであるという見解を出している。しかし、NHKの主張する受信料の義務化・罰則化は「受信料を払えなければ無料の民放すら見られない」という状況を意味し、スクランブル化以上の情報格差を生じさせる事になり、非常に矛盾に満ちた主張が展開されていると言える。結局のところ、NHKはスクランブル化によってTV所有者全体から受信料を徴収するという前提が崩れ、減収となるためスクランブル化に反対しているのである〉
 なるほど、NHKには「TV所有者全体から受信料を徴収するという前提」があったのか。ところで、その前提は「自由民主主義」「社会民主主義」「共産主義」等を標榜する各政党にとって、是なのか、非なのか。今日の朝刊(「東京新聞」6~7面)に掲載された〈2009衆院選 主要政党マニフェスト要旨〉を読んだ限りでは、何の情報も得られなかった。「NHK受信料未払問題」など、国政にとっては「採るに足らない」ことなのかも知れない。だがしかし、今や「第四の権力」として君臨する「マスコミ」(情報産業)のあり方について「思いが及ばない」(政治家の)集団など、私にとっては「採るに足らない」ことなのである。かくて、今回の衆院選もまた「支持政党無し」、棄権する他はないということか・・・(溜息)。
(2009.8.1)