梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2018年のブログ記事

2018年(ムラゴンブログ全体)
  • 《秋》を待つ

     ようやく9月になった。「ともかく8月を越えれば・・・何とかなる」という思いで日々を過ごしてきたのだが・・・。  今日の最高(予想)気温は摂氏31度なので、「思い切って」外出してみた。最寄りの駅から一つ先のターミナル駅まで電車に乗り、駅前の量販店で買い物を済ませたが、蒸し暑さのため気分は最悪、這々... 続きをみる

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  • スポーツ界の《膿》(「優勝劣敗」)

     2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて「膿を出し切ろう」と、スポーツ界が揺れている。当初はコーチのパワハラ問題に端を発し、以後、某大学の危険タックル、某連盟理事長の圧力疑惑(○○判定)、最近では某協会のコーチ無期限登録抹消処分、等々。要するに、スポーツマンシップの「フェア精神」(基本理... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・70

    ■応答 《返事》 【要約】  応答の最も単純な型は、相手の呼びかけに対する、ウンとかハイのような返事である。この種の応答は1歳前後で生じるが、特定の相手の特定の談話に対する特定の応答(適応的な反応)が生じているのではなく、紋切り型に反響的に反応が起こっているのみである。 前には、はっきりハイといっ... 続きをみる

  • 「障害者水増し」問題・責任のとり方

     連日「障害者水増し」問題が報道され、厚生労働大臣が記者会見で謝罪したそうだが、「謝罪すれば済む」という問題ではない。なぜこのようなことが起きたか、などと今さら考える必要もない。事は単純明快である。要するに、各省庁においては、障害者の存在など「屁とも思っていない」からである。障害者を雇用する「意味... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・69

    ■呼びかけと要求 《呼びかけ》 【要約】  呼びかけは、現前する人、あるいは現れることが期待される人に対して伝達する欲求に動機づけられる発声である。注意をひきつける効果の大小に重点が置かれており、音量あるいは音調が重要な役割をはたしている。レベス(Revesz,1956)は、呼びかけの機能的特性と... 続きをみる

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  • 《炎熱地獄》(猛暑日)の過ごし方

     今日で、今夏最後の「猛暑日」が終わる見込みである。高齢者、病人にとっては、まさに「炎熱地獄」の毎日であった。65歳以上の場合、最高気温が摂氏30度未満の時には、「熱中症」の発生率はほとんど目立たないが、30度を超えると徐々に上昇し、35度で12%、36度15%、37度では33%が発症する、という... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・68

    ■感嘆発声 【要約】  初期の感嘆発声は、主として短母音または長母音の強い発出であり、情動の直接的な表出である。子どもの属する社会の言語音からの影響を受けておらず、生得的なものである。これは“一次感嘆発声”あるいは“自然感嘆発声”とよばれている(Revesz,1956;Leopold,1949)。... 続きをみる

  • ある問答

     AがBに言った。 「気がつくと、私は四角い部屋の床に横たわっていました。部屋の中には何もなく、真っ白い天井と壁があるだけです。出口はなく壁には窓もありません。よくよく天井を見ると、次第に『死』という字が浮かび上がってくるのです。壁も床も同様で、私は『死』という字に囲まれて、辛うじて生きているとい... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・67

    12 言語的伝達の諸型 ■サルの発声の型と機能 【要約】  京都大学の霊長類研究グループによる十数年間の研究成果が、最近、伊谷(1965)によってまとめられている。伊谷によると、ニホンザルの音声的伝達は機能的につぎの4種類に分類することができる。 ⑴ 叫び声(crying) ⑵ 吠え声(barki... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・66

    ■母親の初語識別 《初語識別》 【要約】  通常、初語は子どもとたえず接している母親によって発見される。母親は、純粋に情動的あるいは喃語的な発声に対しても、これを自分への呼びかけ、あるいは、何かを自分に要求する有意味的発声と解釈しがちである。客観的に有意味とはいえない空疎な音声が、母親には意味的な... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・10・《付録・療養アイテム10選》

     「急性心筋梗塞」の(2カ月に亘る)療養生活で不可欠だと感じたアイテムは、以下の通りである。「他山の石」として参考にしていただければ幸いである。 ⑴エア・コンディショナー(エアコン)  室温を一定に保つために不可欠である。病院の病室は摂氏23度に保たれていたが、自宅では摂氏25度に設定した。(それ... 続きをみる

  • 【2018夏】の《終わり》

     ようやく猛暑が一息ついた。暑さも峠を越えたらしい。それにともなって、私の体調も少しずつ回復しはじめたようである。第一に「吐き気」をほとんど感じなくなった。第二に、「倦怠感」も減り、「身体を動かそう」と思う意欲が湧いてきた。第三に、食欲が戻り、体重が減らなくなった(57kg台をキープしている)。第... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」病状記・9・《付録・「胃カメラ検査」》

     「急性心筋梗塞」で緊急の手術をしてからあと1週間余りで2カ月となる。術後の経過は「おおむね良好」(循環器内科の所見)だが、「吐き気」「腹部膨満感」のため食が進まず、体重が3kg減った(57kg)。主治医から、念のため(別の病院で)「胃カメラ検査」を受けるように助言されたので、今日、朝一番で受けた... 続きをみる

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  • 2歳男児の《述懐》(つくり話)

     ほんとうのことをいうと、ボクは「うみ」よりも「やま」のほうが、すきなんだ。じいじは「うみへいこう」と、にいちゃんとボクをつれて「うみ」にむかった。でも、とちゅうで、ボクはどうしても「やま」にいきたくなって、じいじに「おうちかえる」といったんだ。でも、にいちゃんはうみへいきたいので、じいじはこまっ... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・65

    11 初語 【要約】  “語”は、文のなかの構成分でなければならないから、初語は“語”ではないが、初期の談話は、語に似たまとまり方で1音節ないし2~3音節から成り、機能的にみても、将来の本格的な談話の中に移行していくものが多いから、“語”とよんでも誤りとはいえない。wordと区別してvocable... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・8・《結び》

     昨日、今後の課題について主治医の診断を仰ぐために通院・受診した。その結果は、①服用薬のうち一種(フロセミド錠20mg・1日分0.5錠)を中止すること、②胃カメラ検査をして「吐き気」の原因を探ること、ということになった。フロセミド錠は、血圧を下げ浮腫をなくす薬である。利尿効果が急激にあらわれること... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・7・《総括》

     「急性心筋梗塞」を発症し7週目を迎えた。経過は決して順調とはいえないが、いつまでも病気にかかわってはいられない。まだ、私には果たさなければならない「仕事」がたくさんあるのだ。石川啄木は『こころよく我に働く仕事あれ、それを成し遂げて死なんと思う』(「一握の砂」)と詠み、26歳で他界したが、数多くの... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・6・《「考えない練習」》

     「療養生活」の時間は、健康時に比べて10倍以上長く感じられる。いつまでたっても、朝が来ない。そんなときどうするか。モーツアルトやバッハの音楽に身をゆだねる。それで楽になれれば幸せだが、そうは問屋がおろさない。突如として不快感におそわれる。その不快感とは、「吐き気」「倦怠」「脱力」である。それら不... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・5・《「病牀六尺」》

     入院した時、私は「こんな所にいつまでも居られない。最短時間で出てやるぞ!」と決意した。その通り、おそらく最短時間で退院することができたのだが、以後の「療養生活」は順調ではない。たえず「吐き気」におそわれ、思うように食べられない。その結果、体重は60kgから57kgに減った。「脱力感」「倦怠感」も... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・4・《元気の種》

     昨日は、夕食時「吐き気」におそわれ、卵焼き2片のみで終了となった。ともかくも食後の服薬をして血圧等を測る。最高は153、最低は100、脈拍76、体温35.2度ということで、寝る前の降圧剤を飲んで17時に横になる。目が覚めたのは21時30分、その時の血圧等はは最高123、最低83、脈拍68まで下が... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・3・《体重減》

     「急性心筋梗塞」の手術から1カ月半が過ぎようとしているが、その経過は順調とはいえない。循環器内科の所見(心電図検査、胸部レントゲン検査、血液検査、血圧測定、脈拍数、体温)では「経過はほぼ良好」とのことだったが、今日受けた「心臓リハビリ」での「体成分分析装置装置Inbody S10」の結果は「要注... 続きをみる

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  • 続・「同じ穴の狢」

     前文で私は〈「 A、T、Y・・・を筆頭に、「われら某国民」はすべてが「同じ穴の狢」ということか。(・・・溜息)〉と綴った。Aとは某国首相、Tとは某大学理事長、Yとは某連盟理事長のことだが、今日の新聞を見ると、Yは「辞任」を表明したとのことである。前日までは「悪いことは何もしていないのになぜ辞める... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」病状記・2・《胃がん》

     昨日、看護師から「明日また吐き気がでるようでしたら、外来で受診してください」と言われていたので、朝から吐き気がでるかどうか興味津々であった。起床直後はなかったが、空腹感と同時に吐き気が始まった。「・・・やっぱり」。急いで朝食を済ませ、10種類の薬を飲む。しばらくすると吐き気は治まるが、9時30分... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」病状記・1・《吐き気》

     猛暑日の連続は「病み上がり」には辛い。「2時間起きて1時間横になる」から「4時間起きて2時間横になる」生活になってきたが、突然おそってくる「吐き気」「倦怠感」と向かい合わなければならない。昼間に眠り、夜中に起きることも珍しくない。夜はぐっすり眠りたいという思いで、昨晩は退院後はじめて「缶ビール」... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・64

    6 言語的伝達の機能の初期分化 【要約】  ここへきてようやく言語的な行動の第1歩がはじまる。それは、言語形式に従う適応的な伝達の開始ということである。この期から、子どもは言語を利用して外界に適応する方法を徐々に、しかし積極的に習得していく。  まず、初語の問題をとりあげ、つぎに呼びかけから、質問... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・63

    ■言語理解の透明性 【要約】  音声は談話の聴取においては“透明”だといわれる。このことは、“話”という語がつぎのような広い意味範囲にわたって用いられる事実からも立証される。 まず、“話”という語は、言語行動の一形態としての意味に用いられる。 ⑴ 活動ないし能力(2歳児は十分話ができる)  ⑵ 形... 続きをみる

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  • 「同じ穴の狢」

     昨年からの某国首相A、今年に入って某大学理事長T、最近の某連盟理事長Y・・・。いずれも「首」「長」と名のつく立場だが、「公私混同」「自省の念欠如」「強権主義」「恥知らず」という共通点があり、要するに「同じ穴の狢」である。  彼らは「弱肉強食社会」の勝者であると自認し、順風時には得意満々、多弁だが... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・61

    9 言語理解  【要約】  言語理解は子どもの知的発達に大きな寄与をする。そのような寄与がどのように発達変化するか、その発達を規定する要因は何かについて考えてみたい。 ■ 談話の自己行動調整機能  自己行動に対する談話の調整機能の発達過程についての実験的研究の成果を検討する。 この行動調整と談話と... 続きをみる

  • 気象庁の《説明不十分》

    〈気象庁は1日、7月の天候まとめを発表した。東日本の月間平均気温は平年を2.8度上回り、1946年の統計開始以来、最も高かった。7月23日には埼玉県熊谷市で国内観測史上最高の41.1度を記録。同庁の竹川元章予報官は、この猛暑は7月上旬の西日本や東海を中心とする豪雨とともに、「30年に一度以下の頻度... 続きをみる

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  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・60

    《代表過程と条件づけ》 【要約】  二つの事項間の任意的な関係は、言語的代表過程に限らず、非言語的過程にも存在する。接近連合、あるいは条件づけによって、連合される二つの事項の間に有縁性があってもなくても、両者間に結びつきが生じる。  連合における結合は、一つ一つが孤立しているが、言語的代表過程では... 続きをみる

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  • 「病む」ということ・2

    〈最近は、腰痛が拡大して、「歩行困難」になった。なぜか。まだ若いつもりで「歩き回った」からである。自業自得、私の身体が「しっぺ返し」をしたのである。「いい気になるな、おまえは見境もなく生き続け、十分に老いたのだ。もう昔のように自由にはさせないぞ。身の程をわきまえろ!」という声が聞こえる。でも、止ま... 続きをみる

  • 【2018夏】(駄句二句)

    【2018夏】(駄句二句) ■ ステントで蘇る朝梅雨明ける ■ ステントに命預けて夏越える 【補説】 《ステント》:内腔を保持する鋳型 (堅い網でできたストローのようなもの) で、心臓の冠動脈や消化管の狭窄部を拡張するために挿入または埋め込まれるものです。心筋梗塞の治療では、冠動脈形成術 (風船療... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・59

    《代表過程の二つの発達水準》 【要約】  代表過程とは、“代表するもの”と“代表されるもの”との間の分化である。ピアジェ(Piaget,1945)に従って、“代表するもの”を“能記”、“代表されるもの”を“所記”とよぶ。この二つの用語は、フランスの言語学者ソシュール(Saussure)によって用い... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・58

    ■範疇化 【要約】  代表過程の発生と発達を具体的に考えてみる。認知に対して作用する代表機能は、要するに、客観的事象を意味的なものへと変形することであり、範疇化することである。  特定の1匹の動物が特定の“そのもの”としてではなく、“イヌ”という範疇(カテゴリー)ないし級(クラス)に入れられるとき... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・57

    《ピアジェの見解》 【要約】  ピアジェ(Piaget,1933,1934,1945)は、知覚が行為的経験を媒介としてはじめて発達すると考えている。前述したマッチ箱場面(父親が1歳4カ月の女児の目の前でマッチ箱をあけ、そのなかに鎖を入れ、箱の口を少しあけたまま彼女にさし出す。彼女は鎖を取りだそうと... 続きをみる

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  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・56

    ■認知と行為 【要約】  代表機能の最も単純で直接な水準は知覚である。知覚が行為的な経験とどのように因果的に関係しているかについて、二つの対立する見解がある。その一つは、人間の知覚は代表機能によって支えられるが、この機能は、人間においては視覚や聴覚とならんで一つの基本的で生得的な能力であり、行為と... 続きをみる

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  • 「死ぬ」ということ・2

     「死んで花実が咲くものか」と言うとおり、生きていることが《すべて》である。「輪廻転生」といって「死んであの世に還った霊魂(魂)が、この世に何度も生まれ変わってくる」、つまり、《生まれ変わり、死に変わり》という営みが《すべて》だという考えもあるが、私は信じない。死ねばすべてが終わり、無に帰する。生... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」体験記・《結び》

     ちょうど1ヶ月前の今日(6月25日)、私 は「急性心筋梗塞」を発症し入院・治療を受けた。外傷であれば「全治1ヶ月」というところだが、内科疾患の場合は何というのだろうか。まだ多少胸部の違和感や体調不安が残るものの、最近(7月21日)の「心電図検査」「レントゲン検査」「血液検査」「エコー検査」の結果... 続きをみる

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  • 「酷暑 災害レベル」

     東京新聞7月24日付け朝刊(1面)に「酷暑 災害レベル」という見出しの記事が載っている。昨日、気象庁は、今回の猛暑が2週間ほど続く見通しで「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と表明した、という内容である。他に、埼玉県熊谷市で41.1度という国内最高気温が(5年ぶりに更新)記録されたこと、全... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」・《療養生活・3》

     「急性心筋梗塞」による入院・退院後、思うように体調・体力が回復しない原因が(素人考えだが)わかったような気がする。その第一は、病院の病棟(病室)から自宅への大きな「環境変化」である。看護師の話では、病室の室温は23度であった。それに比べて、自宅寝室、居間の室温は28度に設定している。この差が体調... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」・《夏バテ》

     昨日は気分がよかったので、午後1時過ぎから自転車のペダル漕ぎを「休み休み」10分程度行ったが、夕方から息苦しくなり、安静にしても治まらない。体温、脈拍はいつも通りだが、最低血圧が90を超えている。「何かあったら、ためらわずに病院に電話をしてください。」とリハビリの看護師から言われていたので、午後... 続きをみる

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  • 猛暑と「学校教育」

     猛暑が続いている。今までに経験したことのない、生命の危険にさらされる暑さである。熱中症による死者が続出している。なぜ、こんなことになっているのか。それは人類が地球の環境を破壊しているからである。地球が人類に報復を加えているのである。自然災害のすべてが、地球の報復なのである。昭和20~30年代、真... 続きをみる

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  • 「死ぬ」ということ・1

     「老い」て「病む」と「死」が待っている。50歳台の中半に「大腸ポリープ切除」、後半に「無症候性脳梗塞」、60歳台前半に「前立腺肥大」(前立腺炎)、中半に「乾皮症」になり、通院治療を続けてきた。そこまではまだ「死」の実感はわかなかったが、70歳台に入ってから、畳みかけるように「高血圧症」「脊柱管狭... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」・《療養生活・2》

     退院後2週間が経過したが、私はまだパジャマ姿である。つねに倦怠感、脱力感、息苦しさがあり、1時間起きれば、1時間寝る(休む)といった生活(のリズム)を余儀なくされている。寝室、食堂、居間を行き来しているが、いずれも室温を28度に設定している。食事は「減塩」に徹し、朝はトースト他、昼は「減塩そうめ... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」・《モーツアルト》

     案の定、昨日、帰宅後の体調は「良好」とは言えなかった。動悸、息苦しさ、吐き気、食欲不振といった症状が繰り返される。「心臓リハビリ」の影響か、猛暑の影響か、原因は不明である。「心臓リハビリ」の看護師いわく「体調が変化したときは、遠慮なく病院に連絡してください」「どこに電話すればいいのですか」「まず... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」・《「心臓リハビリ」》

     退院13日目、猛暑の中、「心臓リハビリ」のため通院する。前回(7月11日)は、帰宅後「冷や汗」が出て、体温が33度まで下がって、しばらく上昇しなかった。そのことを、まず看護師、担当医に告げると、「そうでしたか」と首をかしげる。「塩分を制限していたので、脱水症状になったのでは?」と尋ねたが、明確な... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」・《療養生活・1》

     「急性心筋梗塞」のカテーテル手術で入院10日、退院後12日目を迎えた。入院中は、「退院さえすれば元の生活に戻れる」と思っていたが、そうは問屋が卸さない。私はまだパジャマ姿でいる。いざというとき、すぐ救急車に乗れるように、また、いつでもベッドで横になれるように、という理由からである。朝起きると、す... 続きをみる

  • 「西日本豪雨災害」・《被災者救済の方法》

     〈政府は、西日本を中心とする豪雨災害を「特定非常災害」に指定する方針を固めた。運転免許証の更新で期限延長を認めるなど、被災者の権利や利益の保全を図る。2016年の熊本地震以来となる5件目の指定で、豪雨災害では初めて。17日にも閣議決定する〉(朝日新聞・2018・7・13)そうだが、被災者救済の内... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」・《「病は気から」》

     「急性心筋梗塞」で入院10日、退院後10日目を迎えた。自分の体調が良いのか悪いのか、よくわからない。ただ言えることは、「悪い」と思い始めると、確実に「悪くなる」ことはたしかなようである。息苦しい、胸に違和感がある、食欲がない、などなど数え上げればきりがないし、そのことに気持ちを集中させれば、ます... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」・《服薬の副作用》

     「急性心筋梗塞」で10日間入院、退院後9日目に入った。「体調はきわめて良好」と言いたいところだが、そうは問屋が卸さない。先刻(7月8日)、「それら(10種類の服薬)の副作用に私の身体が耐えられるかどうか。いずれにしても、服薬は、私の生命を延ばそうとして、逆の効果をもたらすという矛盾をはらんでいる... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」・《減塩の影響?》

     「急性心筋梗塞」による入院から帰宅して1週間が過ぎた。一昨日は主治医の診断(心電図・血液検査・レントゲン)、昨日は「心臓リハビリ」(運動、ストレッチ)のために通院、いずれも「経過はおおむね良好」ということであったが、家に戻り、大相撲のテレビを観ている時に「異変」が生じた。急に「冷や汗」が吹き出し... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・55

    ■非言語的な経験 《“内言語”の非言語性》 【要約】  言語的代表過程が形成されるための要件の一つとして、マイクルバスト(Myklebust,1960) は、“内言語”なるものを考えている。“内言語”はビゴツキーの“内言”とは異なる概念である。“内言”は談話の内面化ないし思考化であり、概念的思考の... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・54

    8 認知世界の形成 【要約】  子どもは、まず言語を学び、つぎにそれを基礎として意味的経験をするようになっていくのではなく、はじめに意味的経験をし、その経験を深めていく途中から、それを基礎として言語の影響を徐々に受けるようになっていくのである。意味的経験がなければ、言語の経験はあっても表面的で弱く... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・53

    ■聴力 【要約】  談話を聞く場合、談話の全体が必ずしも遺漏なく聞きとれるということはなく、また、つねにそうである必要もない。その理由の一つは、談話の行われる状況、談話そのものの置かれている文脈、あるいは広い知識・経験などが、聴取欠損部を補うのに役立つということにある。この種の推定ないし補間のほか... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・52

    ■音声識別と発声 【要約】  音声識別力が、子どもの漸次発達変化していく音韻とその体系化にそって発達することは明らかである。低い発達段階では、一部の音声だけを識別し他の音を無視するとか、特定の音声を彼自身の音韻範疇に従ってまとめたり相互交換したりする、ということが考えられる。  レネバーグ(Len... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」・《生老病死》

     「急性心筋梗塞」は、仏語《生老病死》を具現化していると、私は思う。生命体の根源である心臓や血液は「生」であり、血液を全身に行き渡らせる血管の老化・動脈硬化は文字通り「老」であり、冠状動脈に梗塞(「病」)が起きれば、「死」に至る。  「死」へのプロセスは自然のなりゆきであり、誰も食い止めることはで... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」・《退院はしたけれど》

     「急性心筋梗塞」による入院・手術・治療を終え退院、3日目になるが、私の生活は入院前の状態には戻らない。それはよいことで、もし戻れば、ただちに「再発」の危機に見舞われるということであろう。つまり、私は以前の生活を全面的に改めなければならない。 「急性心筋梗塞」の原因としては、①高血圧、②動脈硬化、... 続きをみる

  • 《追悼》ありがとう三代目・鹿島順一! 

     三代目・鹿島順一の(たぶん?)初月忌にあたる6月25日、私もまた「急性心筋梗塞」の症状に襲われた。夜半から夜明けにかけて胸に違和感を感じていたが、午前6時を過ぎると「疼痛」に変わり、冷や汗、息苦しさも伴ってきた。いつもなら「肋間神経痛?」ぐらいな気持ちでやり過ごしてしまうところだが(痛みも軽減す... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」体験記・7・《退院》

     私は「急性心筋梗塞」の危機から辛くも脱し、昨日、無事退院することができた。退院に際して、循環器内科部長から「今回、どうしてこのようなことになったのか」、これまでの生活を振り返って、その原因について考えてみるよう、助言を受けた。まことに、もっともな御指摘で、さっそく、そのことについて考えてみたい。... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」体験記・6・《「栄養指導」》

     500メートルの持続歩行に付き添った「リハビリテーション部」の担当医は、途中で「足腰は痛くなりませんか?」と私に尋ねた。「痛いです。でもこの検査は心臓の方なので、休んでもいいのでしょう?」と答えると、彼は笑いながら「まあ、そういうことですが、歩き続けることも条件の一つです」と言う。あと一周という... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」体験記・5・《一般病棟》

     入院四日目(6月28日)の夕方、私は(決意どおり)「一般病棟」(六人部屋)に移ることができた。喜ぶべきことだが、以下の点に注意しなければならないことがわかった。様相は集中治療室とは一変する。これまでの手厚い個別対応とは異なり、何でも自分一人でやらなければならない。それが原則である。また、看護師は... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」体験記・4・《リハビリテーション》

     入院二日目(6月26日)の午前の日課が始まった。集中治療室を出るためには、3つのリハビリをクリアしなければならない。その一は、ベッドの上に自力で起き上がること(30秒)、その二は、ベッドを降りて脇に立ち続けること(1分間)、その三、室内を自力で2分間歩き続けること、である。そんなことなら簡単にで... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」体験記・3・《続・集中治療室》

     私は手術後の10時間(おそらく7時~17時ごろまで)、身動きできぬまま、その退屈さに必死で耐えた。身体的苦痛は、右前腕の傷、発熱、頭痛程度で大したことはないのだが、「動いてはいけない」ということが最も辛かった。一人の看護師は「病気にならなければダメです」と言ったような気がする。何もしないで天井だ... 続きをみる

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  • 「急性心筋梗塞」体験記・2・《集中治療室》

     ストレッチャーに乗せられて集中治療室に到着すると、ただちに左前腕部に点滴注射2本が装着される。鼻腔には酸素のチューブ、右前腕部にはカテーテル挿入時の傷口が2箇所、止血装置が施されている。胸には心電図のモニターのコードが貼り付けられた。とはいえ、それらは後からわかったことで、私自身はただ「なされる... 続きをみる

  • 「急性心筋梗塞」体験記・1・《入院・手術》

     先週の月曜日(6月25日)、「急性心筋梗塞」のため緊急入院、カテーテルによる手術他の関連医療を受けた結果、本日、その記録を以下の通り綴れるまでに回復した。消防署救急隊及び病院の医療関係者各位の御尽力に、心より感謝申し上げたい。 × ×  先週の月曜日(6月25日)、夜半から早朝にかけて胸痛が生じ... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・51

    ■音声識別と場面 【要約】  “言語理解”が言語以外の条件(場面)によっている場合が多い。  カリツォーバは、成人が談話を与えるとき、その音調が一定であり、また身振りや場面も一定であるときだけ、要求している条件(“理解”)反応を示すことを実験的に確認している(Kogan,1964)。0歳8ヶ月の子... 続きをみる

  • 「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・50

    ■音声識別 【要約】  音声に基づく談話の識別は、子どもが音声そのものに積極的で分析的な関心をもつまでは生じてこない。ルイス(Lewis,1951)によると、音声に対する子どもの関心は、原初的な音声模倣(音調をおもな手がかりにする談話“理解”期に対応する時期に生じる)が減退ないし消滅する“模倣潜伏... 続きをみる

  • 五歳女児の「叫び」

     《ママ、もうパパとママにいわれなくてもしっかりと じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことしません ゆるして》  上の文は、両親に虐待死させられた(殺された)5歳女児の「反省文」である。ママは... 続きをみる

  • 萩生田氏発言の《波紋》

     東京新聞5月31日付け朝刊(6面)に、《「赤ちゃんはパパよりもママ」「育児を知らない」「時代錯誤」・萩生田氏発言 波紋》という見出しの記事が載っている。  「赤ちゃんはパパよりママなのか-。自民党の萩生田光一幹事長代行(54)が講演で、母親による育児が前提の子育て論を展開し、波紋を広げている」と... 続きをみる

  • 旅に病んで夢は枯野をかけめぐる・2

     夜中に目を覚まし、再び眠ろうとしてモーツアルトのCD(「くつろぎとリラクゼーション」)をかけた。夢か現か幻か・・・、私は小学校のクラス会に、いそいそとと出向く。会場には先着が数名いた。その中の一人、「彼女」が私に近づいてプレゼントを手渡す。私は「(今、ここでは)まずいよ」と思いながらも、そのプレ... 続きをみる

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  • 続・「トカゲのしっぽ切り」

     「森友問題」とは、国有地が「ただ同然」で、民族主義(教育勅語)を理念とする私立小学校に払い下げられたことである。売り渡した行政責任者はA首相であり、甘い汁を吸ったのは森友学園元理事長K氏である。その問題は地域の一市議による(売却価格の)「開示請求」によって明るみに出され、世間に知れわたった。その... 続きをみる

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  • 「証人喚問」という《茶番劇》

     東大出の元官僚と政治家が繰り広げる「証人喚問」という茶番劇は、子どもたちが「嘘のつきかた」を学ぶには格好の教材になる。政治家曰く「○○からの“指示”はあったか」それに対して元官僚の証言は「ございません」。この喚問は、元官僚に真実を語らせないようにするため、いわば政治家の「助け船」である。“指示”... 続きをみる

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  • 親方・貴乃花の「万事休す」

     大相撲界の暴力体質を糾弾していた親方・貴乃花は、事もあろうか、愛弟子が暴力をふるったことに困惑している。「きわめて深刻だ」「一兵卒から出直す」などとと述べたそうだが、万事休すだ。ただちに「貴乃花部屋」を閉鎖・解散し、みずからは廃業する道しか残されていない。なぜなら、横綱・日馬富士の暴力に断固とし... 続きをみる

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  • 旅に病んで夢は枯野をかけめぐる・1

     松尾芭蕉は晩年に「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」という名句を詠んだ。この句をどのように解釈すればよいか。見解は二つに分かれると思う。  その一。今は冬、私は旅の途中で病臥に伏している。しかし、いずれその病が癒えれば再び山野を駆け巡ることができるだろう。春になり健康を取り戻した自分の姿を、今、夢... 続きをみる

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  • 「病む」ということ

     今日は亡母(没年・1945年)の73回忌である。読経を聞きながら、自分自身の「死」について考えた。  「生老病死」とは、仏教語で「生まれること、老いること、病むこと、死ぬことの四つの苦。人生における免れない四つの苦悩のこと」である。四苦八苦の「四苦」に相当する。この苦とは、「自分ではどうすること... 続きをみる

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  • 「腰が痛くなる」話

     頼まれた仕事を、年甲斐もなく引き受けて、あちこちと歩き回っていたら、とうとう歩行困難な状態に陥ってしまった。腰痛は七年前に発症し、整骨院に通って悪化を防いできたが、痛みが右臀部、右大腿部へと広がって「もういけません」、50メートルほど歩くと前に進めなくなる。横断歩道も、青信号が点いている間に渡り... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・40

    3 国語教育と言語理論 【要約】  中学校、高等学校で文法を教えるという、教育の現場からいくつかの問題が提出されている。その一つ二つについて考えてみる。  その一つは、文法の教育ということをどう理解しどう実践するかという問題である。文法が法則的な学問であり、文法を習うことは公式について勉強すること... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・39

    2 日本語改革の問題 【要約】  これまで、漢字の制限、かなづかいの改正、むずかしい語をやさしい語に変えること、標準語の確立、敬語の整理などについて多くの論議が行われ、改革が実行されてきた。  軽率な改革が全体の混乱を招かないように慎重に考えなければならない。  かなづかいは音声のありかたを忠実に... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・38

    第五章 言語と社会 1 言語の社会性 【要約】  言語についての基本的な考え方のちがいは、言語の社会性についての理解に大きな影響をもたらす。頭の中に抽象的にとらえられた表現上の社会的な約束を「言語」あるいは「言語の材料」と考えるなら、言語はどこまでも思想をつたえる道具として理解されることになる。こ... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・37

    4 文章に見られる特殊な表現構造  字数を制限された場合は、特殊な文章が使われる。 ● 六ヒユケヌヘンマツタロウ ● 売邸渋谷南平台環良地一一二付建坪二六坪七五瓦水完交通便手入不要即安価面談仲介断48二0六0木村  この電報の「ヘン」は返事、案内広告の「瓦」はガス、「水」は水道、「即」は即金と読者... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・36

    3 文章といわれているものの本質 【要約】 (a) ああ。(感嘆) (b) 火事。(呼びかけ) (c)起立。(命令)    これらは一語文である。これらのほかに、一語文でありながら、それ自体がぬきさしならぬふさわしい表現と考えられているものがある。それは文章の《題名》である。 ● 土(長塚節) 家... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・35

    2 文章における作者の立場の移行  文章の理論的研究は、これまで主として修辞学の中で行われてきたようである。文章に中に文の法則性を超えた独自の法則性をさぐって体系的な文章論をうちたてるという試みはほとんど行われていない。文法学と修辞学が、文章について全くちがった何の関係もない定義を与えていると云う... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・34

    第四章 日本語の文法構造・・その三、語と文と文章の関係 1 語と句と文との関係 【要約】  ● おーい。起立。暖かい。  などは、一語で話し手の一つの思想を表現したものとして《一語文》とよばれている。主語と述語をそなえているというのは、ある種の文の特徴であって、一つのまとまった思想が常にこのような... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・33

    3 感動詞・応答詞・接続詞 【要約】 (a) (おい)、君。 (b) (ああ)、うまかった。 (c) (ちぇっ)、ばかにしている。  独立したかたちで使われる、話し手の呼びかけや感情を表現する語を、感動詞あるいは感嘆詞と名づける。この感動詞によって直接表現されている呼びかけや感情にはそれをひきおこ... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・32

    c 助動詞のいろいろ 【要約】 ○「ある」「だ」  肯定判断、断定の表現に使われる。 ○「ない」「ぬ」  否定判断、打ち消しの表現に使われる。形容詞の「ない」から移行してきた「ない」と、「ぬ」の二つの系列がある。「ない」は形容詞と同じように活用し、「ぬ」は独自の活用をする。  この種の表現は、話し... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・31

    【要約】  彫刻家ロダンは、彫刻や絵画が運動を表現する場合について、次のように語っている。〈「動勢とは一つの姿態から他の姿態への推移である」この単純な言葉が、神秘の鍵なのです。・・彼は一つのポーズから他のポーズへの推移を形に写します。最初のものが如何に知らず識らずのうちに第二のものに移って行くかを... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・30

    【要約】  現在過去未来が相対的な関係だということを確認した上で、次に運動の相対性という問題を考えてみる。 ● 鳥が(飛んでいく)  この場合は対象である鳥が動いており、話し手は静止している。 ● 森や林や田や畑 あとへあとへと(飛んでいく)。  この場合は対象は静止しているのに、話し手が汽車に乗... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・29

    b 時の表現と現実の時間とのくいちがいの問題 【要約】  言語において過去や未来のありかたをとりあげる場合、日本語では助動詞を使う。ところが、現在形で表現する場合がある。 ● 宇宙は永遠に存在(する)。 ● 明朝行き(ます)。  現実から見て動詞の原形を「現在形」とよぶこと自体当を得たものではない... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・28

    2 助動詞の役割 a 助動詞の認識構造 【要約】  わたしたちは、生活の必要から、直接与えられていない視野のかなたの世界をとりあげたり、過去の世界や未来の世界について考えたりしている。観念的に二重化し、あるいは二重化した世界からさらに二重化するといった入子型の世界の中を、わたしたちは行ったり帰った... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・27

    f 終助詞について 【要約】  文の終わり、助動詞あるいはそれに相当する部分の後に使われる語である。その特徴は、感動、疑問、欲求などを純粋なかたちで表現することで、個人的な意識の自然なあらわればかりでなく、時には聞き手に対して強い欲求を示すような場合がある。 ● 今日は元日(か)。 立派だ(なあ)... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・26

    e 接続助詞について  助詞がつながりの意識の表現であることから、対象のつながりを表現する助詞が二つの文をつなぐかたちをとって使われるようにもなる。これが接続助詞である。「から」は出発点・起点の意識を表現する格助詞だが、これが二つの事件の原因結果について使われるようになり、 ● それだ(から)私が... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・25

    d 係助詞について 【要約】  直接対象から与えられた認識とは別に、話し手の持っている意識がかたちの上で打ち出してくる助詞を、係助詞と呼ぶ。昔から、係り結びといわれ《「ぞ・る」「こそ・れ」「思ひきや・とは」「は・り」「やら・む」これぞ五つの結びなりける》という歌でこれを記憶してきたが、口語では文の... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・24

    C 副助詞について 【要約】  助詞による表現のうしろには、客観的なつながりと、そのとらえかたがかくれている。そのつながりも、とらえかたも、客観的な時間・空間・質・量と無関係ではない。副詞は、客観的な事物のありかたを抽象的にとりあげて表現するが、助詞の中にも副詞と似たとりあげかたをし、格助詞と組み... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・23

    b 格助詞とその相互の関係 【要約】 ○「が」と「は」の関係 (a) 鳥(が)空を飛んでいる。→《現象的なつながり》 (b) 鳥(は)空を飛ぶ。→《必然的な本質的な関係》 (c) お茶(が)こぼれる。→《偶然的なつながり》 (d) お茶(は)机の上へおいてください。→《偶然が継続→固定的なつながり... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・22

    第三章 日本語の文法構造・・その二、主体的表現にはどのような語が使われているか 1 助詞のいろいろ a 助詞の性格 【要約】  文の中の語と語とはつながりをもつものとして扱われる。このつながりのうしろには、語としてとらえられた対象のそれぞれの面の客観的なつながりがかくれている。 ● 人死す。  「... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・21

    b いわゆる連体詞について 【要約】  いわゆる連体詞には以下のようなものがある。 (a) (ある)日の午後のことだ。   (b) あの人は(いわゆる)影べんけいだ。 (c) (さる)ところによい店があるという。 (d) (とんだ)ところへ北村大膳。 *動詞の連体形をそのまま使う場合 (e) きた... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・20

    5 副詞そのほかのいわゆる修飾語 a 副詞の性格について 【要約】 ● (とても美しい)花だ。  「花」の具体的なありかたを示すために他の語をつけ加えることを、修飾するという。これはみかけの説明だから、これを絶対化して、これだけで解釈するとまちがった理解におちこむ危険がある。すすんで認識構造を分析... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・19

    b 新しい分類の中に止揚すること 【要約】  「静かだ」「綺麗だ」を一語と見て形容動詞とよぶのはまちがいである。これは二語と見るべきである。静止し固定した変わらない属性において対象をとらえるときの語は、形容詞だけではない。漢語そのほかたくさんある。そのたくさんのうちで、特別に「く」「い」「けれ」と... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・18

    4 形容動詞とよばれるものの正体 a 歴史的な検討の必要 【要約】  国語の教科書や参考書では、その大部分が「形容動詞」といわれるものをとりあげて説明している。 《活用表》 ● 静かだ(基本の形) 静か(語幹) だろ(未然形) だっ・で・に(連用形) だ(終止形) な(連体形) なら(仮定形) ○... 続きをみる

  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・17

    d 複合動詞の問題・・・正しい意味での助動詞の使用 【要約】  動詞は、単独で使われるだけでなく、複合して使われることがある。動詞の下につけ加えて使うかたちの動詞を、これまでの教科書では助動詞とよばれる品詞の中に一括していた。(その中の性格のちがう語を区別する必要がある)  時枝誠記氏は、使役の助... 続きをみる