梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

朗報

 私は出席できなかったが、昨年の10月に小学校のクラス会が行われた。その席で、K君の訃報が届けられたことを知り、私は〈・・・高校、大学まで一緒に過ごした親友も鬼籍に入ってしまった。たしか2年前までは顔を見せていたのに・・・。「今度は自分の番か」と覚悟を決めざるをえない・・・〉と綴ったが、何と!、その時の出席者から訂正のメールが飛び込んだ。「彼(K君)はまだ健在ですよ! ・・・元気とは言えません。が、訃報、は無しです!」という情報が入ったそうである。そうか、そうか、K君は健在か、訃報は無しか!私は「一気に」元気を取り戻した。K君も(元気とはいえないが)生きている、オレだって「もう少し」がんばらなければならない。そしてK君と再会したい。
でもそれは無理だろう。お互いに年を取り過ぎた。今はただK君の健在を寿ぎ、「ありがとう」と感謝することしかできないが、新年早々の朗報を無駄にしないよう、一日一日を大切に生きていきたいと思った。
(2019.1.9)