梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「老いる」ということ・Ⅳ

 実にさびしく、情けない限りだが、私の人生は「終末」を迎えたようである。まだしばらくは、心臓をはじめとする内臓器官は機能するかもしれない、しかし、目がかすんできた。新聞、書物、ワープロ、ブログなどで「読み書き」をすることが億劫になってきた。このまま無理強いすれば、身辺処理、移動など、人間としての基本的な能力にも支障が生じることは必定であろう。
 やりたいこと、やり残したことは山ほどある。それが叶わなくなることは口惜しい。しかし、ジタバタすることはやめよう。戦後70余年、私は「日本国憲法」の下で生きてきた。そのおかげで戦争に駆り立てられることもなく、安全で平穏な日々を送ることができた。今、その根幹である「平和主義」が揺るぎ始めているようだが、もう私には時間がない。せめて、四年前に決定した「日本国憲法改正草案・自由民主党」を修正してから往生したいと思うのだが・・・。
 「老いる」とは、そういうことなのである。
(2016.7.20)