梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「自閉症児」の育て方(13) いくつかの留意点(1)

4 いくつかの留意点・(1)
⑴ 子どもが「自閉症児と呼ばれる」ようになるのは、通説では「自閉性障害のの基本的特徴は3歳位までに表れる」とあるので、早くて1歳半健診時、遅くて3歳児健診の頃であろう。したがって、その「疑い」もしくは「断定」を受けたときには、すでに1年間以上の「時間」が経過している。その間、「自閉症児と呼ばれない」子どもたちは、生後間もなくの「泣き声」から、「笑顔」「表情」「声」「物」「動作」のやりとりへと、活動を活発に展開し、「指さし」行動をコミュニケーションの手段として身につけている。親は、その「差」がどの程度かを測り、ただちに0歳児の段階にまで「立ち戻って」、様々な「やりとり」を《再開》することが肝要である。そのことに《専念》すれば、早くて1年、長くても3年後には、「自閉性障害の基本的症状」は軽減・改善・消失するだろうという「希望」「確信」を持つべきである。それが、「自閉症」という問題に取り組む《核心》であり、「人への関心・かかわりの乏しさ」を改善する唯一の方法である。また、そのことに《手遅れ》(臨界期)ということはない。子どもが何歳であっても、すでに成人になってしまっていたとしても、変わりはない。成人が「泣く」ことはストレスの緩和につながり、「笑顔」のやりとりは「挨拶」「冗談」「娯楽」、「表情」のやりとりは「対話」、「物」のやりとりは「買い物」「プレゼント」、「動作」のやりとりは「合図」「握手」「抱擁」などへと形をかえているが、心底にある「気持ちの交流」は、乳幼児期のそれと同質・同等だからである。(2015.1.18)