梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

《秋》を待つ

 ようやく9月になった。「ともかく8月を越えれば・・・何とかなる」という思いで日々を過ごしてきたのだが・・・。
 今日の最高(予想)気温は摂氏31度なので、「思い切って」外出してみた。最寄りの駅から一つ先のターミナル駅まで電車に乗り、駅前の量販店で買い物を済ませたが、蒸し暑さのため気分は最悪、這々の体で舞い戻った。
 実に情けないことだが、こればかりはどうにもならない。「仕事」への復帰は、まだ当分、時間がかかりそうである。とはいえ、自宅でもできる「仕事」はいくつもある。その一つは、前世代の遺産を後世に「引き継ぐ」ことである。多くの先人・先輩から学んだことを「新しい世代」に伝えることが、私の責務であると考えている。具体的には、①「国語学原論」(時枝誠記)の精読、②「自閉症治癒への道」(ニコ・ティンバーゲン他)の解読、③「幼児の言語発達」(村田孝次)の抄読、④その他「自閉症」に関する諸文献の紹介、④大衆文化(大衆演劇、映画、歌謡曲、浪曲、落語など)の伝承等・・・。そのうちの、いくつかは終了しているが、まだ「手つかず」の仕事が残っている。おそらく、私の寿命が尽きても「残ったまま」になるだろう。しかし、それまでに少しでも終わらせておこう。そんな思いで《秋》を待つ。(2018.9.1)