梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「急性心筋梗塞」病状記・10・《付録・療養アイテム10選》

 「急性心筋梗塞」の(2カ月に亘る)療養生活で不可欠だと感じたアイテムは、以下の通りである。「他山の石」として参考にしていただければ幸いである。
⑴エア・コンディショナー(エアコン)
 室温を一定に保つために不可欠である。病院の病室は摂氏23度に保たれていたが、自宅では摂氏25度に設定した。(それでも「熱中症」「夏バテ」の症状が現れた。)
⑵血圧(脈拍)計
 1日2回(朝・夜)に測定し、体調の変化を知るために必要である。ただし、数値はたえず変化しているので、それを見て「一喜一憂」しないこと。「至適・<120 <80、正常・120~129 80~84、高値・130~139、85~89」という基準を目安とする。
⑶主治医処方の内服薬 
 主治医からは必ず服用するようにと厳命されている。5週間分出されているので、35日に1回通院することになる。
⑷ゲルマニウムの粒 
 「吐き気」その他の「不快感」を抑制するためには、私にとって不可欠である。「モルヒネ」的な効能があるようで、しかるべきツボに貼付するだけで、苦痛はかなり和らぐ。西洋医学からは「問題外」とされ、救急搬送時、入院時に貼付していた7~8粒は、いつの間にか紛失してしまったので、退院後、新たに10粒(通販で)購入した。
 入院時から、唾を飲み込む際に「違和感」(飲み込んでも何かが残る感じ)を感じていた。繰り返すと「息苦しく」なるので深呼吸をするように努める。何かとは、どうやら鼻の粘液(鼻汁?)らしいと気がついて、「鼻炎」のツボ(6箇所)にこの粒を貼ったところ、たちどころに鼻の通りがよくなり、楽に呼吸ができるようになった。
 でも、この粒は「苦痛を和らげる」だけで、患部の治療効果はないだろう。そのことは、注意しなければならないと思う。
⑸減塩食品
 1日6g以下の塩分制限をするためには、便利なレトルト・冷凍食品が市販されている。退院直後は多用したが、最近の血液検査では「塩分不足」という結果が出ているので、あまり減塩にはこだわらないようにしている。病院の「栄養指導」では「指摘事項なし」と評されたが、「心臓リハビリ」では「筋肉量の減少」(3kg減)を危惧され「好きな物を食べて、食欲を回復してください」と助言された。
⑹経口補水液
 この飲料水には「食塩」が含まれており、その食塩が「水分の吸収を助ける」ということである。普通の水やスポーツドリンクを飲んだだけでは「十分に吸収されない」ということが実感できた。1日500ml以上は飲むように心がけている。
⑺ニンニク1日1片
 ニンニクの効能については「証明済み」である。①コレステロール値の上昇を抑える、②抗血栓作用、③抗酸化作用、④血糖値の上昇を抑える、⑤口腔細菌の抑制、大腸がんの予防等々・・・。刻んだり擦ったりすると匂いが生じるので、1片を丸ごと焼き(焦がして)醤油を付けて食べると、みるみるうちに「元気」が湧いてくる。ぜひ、お試しあれ。⑻アボガド1日半個
  アボガドにも、①オレイン酸、②ビタミンE、③食物繊維、④葉酸が含まれており、コレステロールや中性脂肪を減少させ、動脈硬化を防ぐ働きや、強い抗酸化作用を持ち、ガンや心筋梗塞などの生活習慣病の予防や、血行障害を緩和する効果が期待されている。食物繊維や葉酸は、腸内環境を整え、血をつくるために必要な成分でもあるため、貧血の予防にもなる、といわれている。私は、その効能のすべてを信じ、毎日欠かさず食べることにしている。
⑼キウイ1日半個
 アボガドと同様に、キウイにも①胃もたれ防止、②整腸作用、③高血圧予防の働きがある、といわれている。私は、その効能のすべてを信じ、毎日欠かさず食べることにしている。
⑽音楽CD(モーツアルト&バッハ)
 アイテムの極め付きは、何と言っても、モーツアルトとバッハの楽曲である。しかも、そのCDは以下の3枚に限られる。
①「最新・健康モーツアルト音楽療法」(PART2:血液循環器系疾患の予防(高血圧、心筋梗塞、動脈硬化など)
②「J・Sバッハ チェロソナタ 第1番、第2番、第3番」(チェロ:パブロ・ザルス、ピアノ:パウル・バウムガルトナー)
③「ミュージック フォア モーツアルト エフェクト」(モーツアルトセラピー・シリーズ5 くつろぎとリラクゼーション)
 ただし、「不快感」の最大レベルを10とすると、9~10の時には効果は期待できない。身体的苦痛の方が大きいからである。レベルが5から8までなら何とかなる。横になり、ボリュームをやや小さめにして、目をつぶって聴く。時には、そのまま睡眠に移行することもある。要するに、「寝ながら聴く」ということである。クラシック音楽の鑑賞法としては甚だ無礼かもしれないが、目的はあくまで「治療」なので、お許し願いたいと思う。ちなみに、この3枚以外のCD、たとえばショパン、たとえばベートーベン、たとえばチャイコフスキー等々、たとえばジャズ、たとえば歌曲、たとえば民謡、たとえば歌謡曲、たとえば浪曲、たとえば童謡等々、すべて試してみたが、結果は「疲れる」だけに終わった。まだ試していないのは「読経」「声明」「讃美歌」だが、機会があれば試してみたい。
(2018.8.20)