梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

親方・貴乃花の「万事休す」

 大相撲界の暴力体質を糾弾していた親方・貴乃花は、事もあろうか、愛弟子が暴力をふるったことに困惑している。「きわめて深刻だ」「一兵卒から出直す」などとと述べたそうだが、万事休すだ。ただちに「貴乃花部屋」を閉鎖・解散し、みずからは廃業する道しか残されていない。なぜなら、横綱・日馬富士の暴力に断固として闘い、引退に追い込んだ以上、それと同等の処分を愛弟子および自分に課すべきだからである。
 すべては終わった。さればこそ事態は「深刻」なのである。愛弟子への許しを乞い、自分が「年寄」に降格することで、すべてが収まるなら「相撲道」はいらない。
 「日本相撲協会」が、今後、どのような処断を選ぶか、興味深く見守りたい。
(2018.3.26)