梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「衆院選2017」・野党の《敗因》

 安倍首相は、「森友・加計疑惑」により内閣支持率が低下、このままでは政権維持がおぼつかないと判断、麻生副首相、二階幹事長らの助言によって衆議院を解散した。その構図は先輩・小泉元首相の「郵政民営化」を国民に問う解散にも酷似しているが、今回の解散には「大義名分」が見当たらない。したがって、この時点で、すでに「安倍政権の寿命は尽きていた」のである。「森友・加計疑惑」その一点に争点を絞って戦えば、野党の勝機は十分にあったのだ。そこを狙って小池都知事が「希望の党」を立ち上げたところまではよかったが、その後がオソマツであった。野党第一党の「民進党」前原代表にに擦り寄られ合流に同意、以降は野党勢力の分裂が始まる。民進党は、あわれにもその正体を暴露して、一部は「希望の党」、一部は「立憲民主党」、一部は無所属、一部は「参院民進党」のままといった、文字通り「四分五裂」の有様で、何の役にも立たない。もし、「希望の党」が「民進党」と無節操な妥協をしなければ、国民がこれほど失望することはなかったはずである。たとえ僅差で与党が勝ったとしても、「希望の党、善戦」ということで、次への希望が見えてきたのだから・・・。野党の敗因が、「希望の党」代表・小池都知事と「民進党」前原代表の《野合》にあったことは間違いない。
 今の政治家は、すべて「党利党略」、ひいては自己保身の(私腹を肥やす)ために右往左往している。ある政党は「身を切る改革」と称して、自らの報酬を「何割カット」、被災地に寄付しているなどとほざいているが、それを「偽善」という。もし、本当に身を切るのなら無償で働いてみよ。それが公僕として「国民に奉仕する」あるべき姿ではないか。 いずれにせよ、「衆院選2017」は、政治家連中の私利私欲のために国民の税金を無駄にする茶番劇に他ならない。そんなことには「我関せず」、高見の見物をすることにしよう。(2017.10.17)