梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私の戦後70年・ラグビー

 高校の体育の授業は「ラグビー」が必修であった。まず、楕円形のボールを相手の胸元にパスする練習、その時ボールが回転しないようにしなければならない。次は、横一列に並んで走りながらするラインパス、さらにフォワードとバックスに分かれてのフォーメーション、スクラムの組み方、タックルの仕方、ラインアウトのキャッチング等々、学習内容は多種多彩であった。私は背が低く体重も軽かったので、フォワードの2番、フッカーを担当した。「ラグビー」のルールは単純、①ボールを前に投げてはいけない、②ボールを前に落としてはいけない、③ボールの前でプレーしてはいけない、その三点に従いながら、ボールを相手ゴールにタッチすればよい。1チーム15人、総勢30人が一つのボールを奪い合い、広いグランドを存分に駆け回る。レフリーの判定は絶対、チームメートの絆は「一人は皆のために、皆は一人のために」の精神で結ばれる。私はその学習を通して「社会自立」の基礎・基本を学んだような気がする。(2015.5.4)