梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型肺炎(コロナウィルス)の《不安》・3・致死率

 新型コロナウィルスの感染はとどまるところを知らない。感染者数は昨日(2月23日)の時点で、中国本土76936人(死者2442人)、日本838人(死者4人)、韓国602人(死者6人)、イタリア132人(死者2人)、シンガポール89人(死者0人)、香港74人(死者2人)、イラン43人(死者8人)、タイ35人(死者0人)、米国35人(死者0人)、台湾28人(死者1人)、オーストラリア22人(死者0人)、マレーシア22人(死者0人)というデータ(「東京新聞」2月24日付け朝刊1面)がある。WHOは致死率2%としているが、中国での致死率は3%を超えている。さらに日本テレビ「バンキシャ」では、中国の70代患者で8・0%、80代では14.8%の致死率であることを紹介していた。
 もはや国民の誰もが「感染を防ぐ」ことは不可能かもしれない、と感じている。だとすれば、次に打つ手は、「感染しても死なない」方法を見つけ出すことであろう。①感染しても発症しないためにはどうすればよいか(発症率は定かではない)、②発症しても悪化しないためにはどうすればよいか(治癒率は定かではない)、③死に至らないために大切なことは何か(致死率は年代により差がある)。
 国民が知っていることは、①マスクを装用すること、②頻繁に手を洗うこと、③頻繁にうがいをすること、④37.5℃以上の発熱があれば外出しない、④栄養を十分に摂って安静にする(快復を待つ)こと程度だ。それ以外にどうすればよいかがわからない。
 今や、日本は流行期~蔓延期を迎えている。これ以上の感染拡大を防ぐことは当然だが、それ以上に《感染したらどうすればよいかか》という情報が求められているのである。いたずらに感染者の数を数えることは「不安」を拡大するだけであろう。
(2020.2.24)