『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・1
【序】 『「自閉」を開く 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)を精読する。この本の目次を見ると「第1部 理論 第1章 ウィング理論を超えて 第2・3章 田口理論をめぐって 第4章 言語臨床から見た田口理論 第5章 母子関係と感覚統合」「第2部 方法 第6章 ... 続きをみる
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・1
【序】 『「自閉」を開く 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)を精読する。この本の目次を見ると「第1部 理論 第1章 ウィング理論を超えて 第2・3章 田口理論をめぐって 第4章 言語臨床から見た田口理論 第5章 母子関係と感覚統合」「第2部 方法 第6章 ... 続きをみる
今日で大学附属病院の「心臓リハビリ」は終了となった。ただし、体調が回復したからではない。もともと病院の方針で、治療開始から5ヶ月間は「心臓リハビリ」を行い、以後は行わないということが決まっているからである。私の治療開始日は6月25日なので、今月の25日までということだ。最終日と言うことで、月1回... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・18
【感想】 E 既存の概念との関係 ⑷心理神経学的学習障害児・各種の行動問題児とはどこが共通し、どこが本当に違っているのか。 《所見》 ・いわゆる「学習障害(LD)児」は、WISC知能診断検査やITPA言語学習能力診断検査などにより、下位検査項目の「アンバランス」が認められる。「動作性検査」と「言語... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・17
【感想】 D 治療 ⑴ひとりひとりの子どもに即した、もっとも有効的なアプローチは、どのようにしたらもっとも能率的に発見することができるか。 《所見》 ・子どもへのアプローチで最も大切なことは、「実態を的確に把握すること」(今、どんなことができるか)だと思う。そのためには「行動観察」が必要不可欠だが... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・16
6)残された課題と問題点 【感想】 著者は、今後の研究課題として、29項目列挙しているが、その中から私の独断と偏見で抜粋すると、以下の通りである。また、それぞれの課題について、私なりの《所見》も加えたい。 A 人関係と症状 ⑴人関係の(“構造”の変化)発達の過程のどの時期に、どの面に、どのよう... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・15
【要約】 3)解釈と仮説 以下に述べるのは、われわれの解釈およびそれに基づく臨床仮説である。この考えの基礎にあるのは、既述した「1章1節5)新しい見方」や3章で紹介する資料などに含まれた見方である。 ⑴正常発達(既述したA~Hの行動項目参照) ・H(言語)はG(模倣)に依存し、Gの基礎にはC(愛... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・14
【要約】 I' 人への関心や愛着が育たなかったことに伴い、自分自身の体の一部や体の働きまたは外界の“物”を遊び相手にして育ってきたと考えられる行動。 189. 何でもなめる。 190. 何でも匂いをかぐ。 191. 食べものでないものを何でも口に入れる。 192. 何でも匂いをかいだり、なめたり、... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・13
【要約】 H' 言語能力の他の面については能力があっても、人との間にコミュニケーション関係が成立しにくいために現れると思われる症状。 159. 指さしをしない。 160. 人が指さしても、指さした先を見ない。 161. 外に出かけたとき、「ほらブーブよ」などと言って指さしても、それとは別な電線や木... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・12
【要約】 F’環境条件や情報の変化に対して臨機応変に対応する能力が低いため、物事が一定していることを好み、それが変化するといらだちを示す症状。 131. 偏食がひどい。 132. 偏食がある。肉のかたまりがきらい、野菜がきらい、など。 133. 特定のものしか食べない。 134. 水にぬれることは... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・11
【要約】 E’おそらくは愛着的母子相互反応を通して身につけられていく、人や環境とのやりとりのし方やふるまい方や判断のし方がわからず、そのために、見なれない人や新しい場面に対して、とまどい、緊張、恐れ、回避などをみせ、関係の変化や進歩が乏しいことを示す症状。 78. お風呂に入ったとき人との接触をい... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・10
【要約】 C’2 (隔離飼育のサルに見られる行動にも似た)好奇心や探索行動の乏しさを示す、うづくまり・ゴロゴロ・ウロウロ症状。 63. 眠るわけでもないのにゴロゴロと床に寝そべっていた。 64. ゴロゴロしている。何をするでもなくキョロキョロしている。 65. 部屋の棚、ベッドの下にもぐりこむ。 ... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・9
【要約】 C’1. 母親との間に、信頼・愛着・依存関係が成立・充実してくれば、当然みられるはずの行動に欠けていることを示すもの。 30. 哺乳びんが倒れないように枕で支えて飲ませた。おとなしく飲んでいた。 31. あやされても喜ばない。 32. あやしても知らん顔をしているように見えた。 33. ... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・8
【要約】 B’.本来反射的・生得的だった活動が、おとなとの相互反応を通して強化され、活発化し、分化してきて、しだいにおとなを動かす力を帯びてくるべきところ、それがはっきりとみられなかったことに関係があるのではと思われる症状。 14. 人の目をまっすぐに見ることがほとんどない。 15. 視線が合わな... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・7
【要約】 2)臨床例にみられる特徴 ・ここにあげたA’~Iの242項目は、ことばの発達に問題があるということで相談に来た数多くの子どもたちにみられた、症状や所見である。現象的にも意味的にも一部重複している項目が多い。統一のとれていないランダムなものである。しかし、これが初回面接時前後に得た情報の全... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・6
【要約】 *表2.言語発達質問紙の項目の抜粋 【感想】 以上、A~Gの項目は、“正常な発達像”を示す子どもの行動特徴であるが、著者は、さらにこれまで使ってきた「言語発達質問紙」の中から、A~Gに該当すると思われる項目を(多少の無理を承知で)抜粋している。それを(私なりに)整理すると以下の通りにな... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・5
【要約】 F.母子関係が他の人にも広がり社会化されてきていることを示す行動 45. 小さい子どもの声を聞くと反応が多くなる。 46. ものなどを相手に渡す。(0:11) 47. 幼い子ども見ると近づいていって着物などにさわってみたりする。(1:3) 48. おもちゃを人に見せてあげようとする。(1... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・4
【要約】 E.愛着関係の上に立った積極的な探索ないし人への働きかけや、人とのやりとりや人の反応を楽しむ活動。 30. 乳を飲む時、哺乳びんや乳房をさわったりする。 31. 哺乳時に、母親の着物を引っぱったりさわったりする。(0:4) 32. 抱いた時などに大人の顔をいじる。(0:4) 33. 抱き... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・3
【要約】 B.原始的な活動が人との関係で強化され、条件づけられてきて、おとなを動かす力をもち始めてきたもの。 3. 気にいらないときむずかっておこる。 4. オムツが汚れると泣いて教える。(0:1) 5. おこると手足をバタバタさせて大声で泣く。(0:1) 6. 泣いた時涙を流す。(0:3) 7.... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・2
【要約】 【2.人関係を重視した言語臨床】 1)正常発達像 ・ここにあげた90項目は順調に成長している、出生から満2歳ごろまでの、いわゆる“正常な”子どもの観察やその関係資料から得られた行動の特徴である。 ・母子関係の成立・発展という観点から見て、これをおおまかにA~Hの8群に分けて配列すると、次... 続きをみる
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)通読・1
「言語発達の臨床第1集」(田口恒夫編・言語臨床研究会著・光生館・昭和49年)という本を通読する。これは、昭和40年代末期、お茶の水女子大学家政学部児童学科言語障害研究室・言語臨床研究会が、(最近数年間の)「臨床経験」をまとめたものである。私自身も昭和47年から52年まで「言語治療教育」にかかわっ... 続きをみる
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)通読(7)
《第五章 発達障害児をめぐる諸問題》 【医師の診断について】 ・現在のところ、病気なのか単なる行動上の偏奇なのか明らかではない。いくつかの薬剤があるものの、いずれも、教育指導との併用を条件にしていて、主役は教育指導の内容である。 【発達検査について】 ・検査という名前で呼んでいることに疑問を感じる... 続きをみる
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)通読(6)
【固執、こだわり行動】 ・水や砂の感触に没入、道順や換気扇へのこだわり、などの症状行動は、直接の禁止や抑制は労多くして益少なしで、賢いやり方ではない。実生活上に大きな支障がなければ、「後回し」にすべきである。 ・子どもの情緒状態の判断の指標にする方がいい。情緒的に良好な時には固執やこだわりの強度が... 続きをみる
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)通読(5)
【自傷行動】 ・自傷行動への対処は大ざっぱに二つに分けられる。一つは自傷を人のいないところで隠れてやっているかどうかである。もうひとつは、自傷を必ず人がいるところでやっているかどうかである。前者は人の存在が邪魔な場合、後者は人の存在が必須条件である。 1.人の存在が無関係な自傷行動 ・この自傷は、... 続きをみる
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)通読(4)
《第四章 不適応行動への対応》 ・一般的に言って、障害児の攻撃行動であれ破壊行動であれ、そこには強烈な敵意や憎悪、力の誇示、ステータスの上昇意図などのような大人の感情は含まれていない。繰り返される行動には必ずその背後にオペラント条件づけのメカニズムが働いていて、それが解決のカギになる。まず、生じて... 続きをみる
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)通読(3)
《第三章 フリーオペラント法実施への補足》 【徹底的な甘やかし】 ・フリーオペラント法の実施でまずしなければならないのが、徹底的な甘やかしである。・「母子関係の理論」(J.ボウルビィ著、黒田実郞訳、岩崎学術出版社) 【わがままが酷い例】 ・母親の笑顔が一番の強化機能を持つものになっていれば、物品は... 続きをみる
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)通読(2)
《第一章 広汎性発達障害について》 ・(広汎性発達障害=自閉症スペクトラムの原因は脳障害であるという)脳障害説に付和雷同せずに、「現在まだ原因が解明されていない。必ずしも親の育て方が原因というわけではない」と、実態を正確に伝えるべきであろう。原因不明なのである。 ・人は学習によって人になる。脳障害... 続きをみる
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)通読(1)
「広汎性発達障害児への応用行動分析(フリーオペラント法)」(佐久間徹・二瓶社・2013年)という本を通読する。著者のいう「フリーオペラント法」とはどういうものか。「フリー」とは「自由」という意味だが、私流に解釈すれば「拘束されない」ということであり、要するに「従来のオペラント法(応用行動分析=AB... 続きをみる